665 ちょっと付き合ってくれない?
よくないことが起きるかも、というアヤの言葉に浮んだスゥ、その人が顔を出した。
「具合はどう?」
「ありがとう。どんどんよくなっています。もうすぐ皆さんと一緒に食事ができそう」
「よかった!」
「ところで、イコマさん、ちょっと付き合ってくれない?」
スゥは、アヤを見舞いに来たのではなかった。
「どこへ?」
イコマはスゥと共に、サキュバスの庭に向かった。
ハワードが来るまでに戻っては来れないだろう。
しかし、ンドペキがいる。
ンドペキはもとより自分。
心配することはない。
スゥは、イコマとンドペキが同期したとき、それを見ていた者はライラではないか、と言う。
彼女に会って、どうしようというのだろう。
口止め?
「違うのよ。いろいろ考えると、オーエンとホトキンは味方につけておいた方がいいと思って」
一理ある。
エーエージーエスの入り口のいくつかは政府建物にある。
街奪還の突破口のひとつとなりうるかもしれない。
そして、エーエージエスからアンドロ軍に急襲される恐れも軽減される。
スゥは、ンドペキを誘う意味でイコマを誘っている。
と、気づいた。
ならば。
イコマは、ンドペキとしてスゥと話した。
「言うとおりだな。でも、ライラと会って、勝算は? なにか秘策が?」
首をすくめたスゥ。
「まあ、いつも貸し借りはあるから」
「大きな借りになりそうだな」
「そうね。でも、彼女もマトだし」
アンドロの味方をすることはない。
人としての帰属意識に訴えるというわけだ。
「うーむ」




