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662 そんなところで、うろうろされては困る
ハワードは入ってくるなり、
「お願い事があります」と、前のめりになった。
「洞窟に伺いたいと思います」
イコマはこれまで、洞窟の出来事は話していない。
どう応えるべきか迷っていると、ハワードが膝を乗り出してきた。
「彼女に会って話がしたいのです」
「何を?」
「お見舞いを言いたいのです。それに、レイチェル長官にも会いたいのです」
「会いたい?」
「理由をここではお話しできません。しかし、洞窟ではお話しできるでしょう」
カチンと来た。
「迷惑だな」
イコマの中のンドペキが、そう反応した。
「洞窟は戦地だ。その本拠だ。そんなところで、うろうろされては困る」
あえて、アンドロが、とは言わなかったが、それで十分通じるだろう。
しかし、ハワードは意に介す様子もない。
「お邪魔になるようなことはしません」
「断る」
ハワードは、洞窟の位置も、そこにレイチェルがいることも知っている。
軍だけでなく、もはや一般人にも知れ渡っているのか。
ふと思いついたことがある。
もし、街の人々が押し寄せてきたらどうすればいいのだろう。
エリアREFに多くの市民が潜り込んでいると聞く。
ハワードに続けとばかりに、市民が保護を求めてきたら、どうすればいいのだろう。
やはり、ハワードの希望を叶えるわけにはいかない。




