653 ソラト、ウミト、タイリクト
「そのシェルターってのは、秘密なのか? つまり、アンドロの連中は知らないのか?」
「すべては知らないはずでござる」
ロクモンが説明してくれた。
シェルターは三つ。
ひとつは公式に存在が明かされているもの。長官居住区の直下。
これについては、かなり多くの者が知っている。
もうひとつは、長官居住区外の政府機関の地下に。
そしてもうひとつ。
政府機関のエリアの外、つまり、街中にあるもの。これが最も広く、充実している。
三ケ所は繋がっている。
それぞれ長官居住区から順に、ソラト、ウミト、タイリクトと呼ばれている。
ウミトとタイリクトの存在を知っているのは、防衛軍と親衛隊の幹部クラスのみ。
もちろん騎士団は全員が知っているはず。
各省の長官であっても、アンドロは誰一人知らないはずだという。
「なるほど。で、その噂、信憑性はあるのか?」
ロクモンが頷いた。
「タイリクトは、長期間、かなりの人数が暮らしていくことができ申す。備蓄品は完ぺきでござって、シールド機能も備え、探知されない構造にもなっており申す」
「そのシェルターに親衛隊がいるかどうか、外から確認する方法はないのか?」
確認方法はない。
ただ、望みがないわけではない。
タイリクトは、四つの出入り口を持ち、ひとつは長官居住区内、ひとつはウミト、残りの二つが街の中と外にあるという。
好都合だ。
そこから逆進すれば、街の中にでも、政府の建物群にも突入することができるということになる。
なぜ、レイチェルは話さなかったのだろう。




