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651 私の期待は、私だけのもの

 ンドペキは、レイチェルがチョットマにきちんと謝ります、と言ったので、それ以上追求するのはやめた。

 ただ、話の成り行き上、聞いておきたい。


「個人的なことなら聞きはしない。ただ、チョットマはあんたの期待に応えられなかったということなんだな」


 それがどんなことであれ、もしチョットマがそのことに気づいていないなら、長官からすれば落ち度ではないか、ということなのだろう。



 しかしレイチェルは、首を横に振った。


「私の期待は、私だけのもの。彼女はそれを知りもしない。だから、彼女はなにも失敗なんてしていない。私の思ってもみなかった方向に、進んでしまっただけ」



 ピンと来る話ではなかった。


「よくわからないが、彼女に落ち度がないのなら、この話は終わりだ。ただ、無用なことをあいつに言わないでくれ」


 部屋を出ようとすると、

「チョットマのこと、どう思ってるの?」

 と、脱力してしまうような言葉が追いかけてきた。


「部下ですから」

 ンドペキはそれだけ言って退散しようとしたが、さらに声。


「チョットマがあなたのことをどう思っているか、知らないの?」

「仲間ですから」


 今度こそ、ンドペキは扉を開けた。


「私が、そのことをどう感じているか」


 レイチェルのその問いかけの後に、上官として、という言葉が付いているような気がしたが、そのまま部屋を出た。

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