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637 私の仕事は終わり…… と、目を伏せて
スゥはなにも言わずに立ち上がると、
「さ、もういいわよ。立ってみて」と促した。
立ち上がった。
ふらつくこともないし、眩暈もない。
「大丈夫みたいだ」
そしてもう一度、スゥをよく見た。
ランプの明かりを横顔で受けて、スゥは美しかった。
ん?
スゥが、ゆっくり後ずさり、離れていく。
セラミックのテーブルへ。
テーブルを通り越し、山と積まれた資材の陰へ。
歩み寄ろうとすると、スゥはいやいやをするように、首を振る。
「私の仕事は終わり……」
と、目を伏せてしまった。
「すまない。思い出せないんだ」
スゥが手を挙げた。
後ろを見よ、というように。
俯いたまま。
振り返ると、JP01がすぐ後ろに立っていた。
「ん! あっ、ああっ! ユウ! ユウか!」
「やっと、わかったのね」
たちまちンドペキの意識は大混乱に陥った。
「あわわわわっ!」




