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635 こうやって、死後の世界に行くのか
白いチューブの中。
浮上していく。
チューブの壁に文字が……。
大量の文字の群れ。
上昇速度が速いからなのか、意識が朦朧としているからなのか、全く理解ができない。
ぐんぐん上昇していく。
ああ、俺は死んだのか。
こうやって、死後の世界に行くのか。
そんなことを思った。
下は、白いもやがかかっているように、何も見えない。
頭上には、チューブの出口だろうか、小さな丸い黒い粒が見えた。
チューブだと見えたが、いつしかそれはねじ曲がり、何本にも枝別れし、もうまっすぐに上昇しているわけでもない。
猛烈なスピードで闇雲に飛び回っている。
上下左右もわからない。
体が激しく回転し始めた感覚。
何も見えない。
薄墨色の世界。
そして、意識が途切れた。




