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634 ありとあらゆるシルエット……
「座って、床に」
「ああ」
スゥが、イコマが、JP01が見つめる中、ンドペキはタブレットを口に含んだ。
「つっ!」
辛い!
舌が痛い!
と、思ったのも束の間、目の前が真っ暗に。
その直前、JP01の姿が消えた。
口内で固い風船が一気に膨らんでいくような感触とともに、喉に破裂するような痛みが走った。
そして、顎が外れ、頬が裂けた! かのような暴発感。
得体の知れない感触が、口内を中心に頭部全体に広がった。
「んぐぐぐっ」
ンドペキは耐えた。
タブレットを吐き出そうにも、すでに自分の意思で舌や唇を動かすことはできない。
平衡感覚が失われ、ぐらりと前のめりになった。
思わず両手を床に付け、目を閉じた。
まぶたには様々な色彩が現れ始めている。
さまざまなモノのシルエットが、めまぐるしく浮かんでは消える。
人の形やビル、室内や列車、光の柱、女の顔、パリサイドの姿、森の木々……。
ありとあらゆるシルエット……。
意識が遠のいていくのを感じた。




