表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
629/731

629 潮が引くようにそれぞれの部屋に

 会談は、ものの十分で終わった。


 レイチェルはニューキーツの長官として、JP01に精一杯のプレゼンテーションをした。

 パリサイドを受け入れるという表明だけでなく、居住地を示し、今後この地でともに暮らしていくための具体的な提案をした。

 パリサイドに対し、権利と義務を提示した。

 他の街との関係を説明し、街の人間の構成を説明した。


 もちろん、歓迎の気持ちを表し、人々の友好的な交流についてのアイデアまで提案した。



 しかし、JP01の回答はにべもなかった。

 では、この地の代表者があなたであることを示して欲しい、との言葉を残して席を立った。



 JP01が水流に姿を消すと、パキトポークは憮然とし、ロクモンはがっくりと肩を落とした。

 レイチェルとスジーウォンは目に怒りを宿し、コリネルスは黙って目を伏せた。

 そしてンドペキはすべての感情を腹に飲み込み、やるしかない、と決意を新たにした。



 ンドペキは会談場の大広間から全員の姿が消えるまで、黙って水面を見つめていた。

 誰とも話をしたくなかった。

 話をして解決する問題ではない。


 街のアンドロを攻撃する。

 実力行使あるのみ。


 その時期をいつにするか。

 考えるべきことは、もうそれだけだった。


 ンドペキだけではない。

 きっと、同じことがレイチェルの胸にも、パキトポークの胸にも、そしてロクモンの胸の中にも、大きくなる一方の氷の玉のようにつかえているだろう。


 言葉少なく二言三言交わしただけで、潮が引くようにそれぞれの部屋に引き上げていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ