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627 だれにも邪魔されないところで

「だれにも邪魔されないところで」

「はい」


 慎重に考えた。

 現実的に、そんな場所があるだろうか。


「それに、私達が会うこと自体を秘密にできる?」

「え?」

「レイチェル長官にも内緒で」

「ん……」

「誰にも気づかれずに」



 現在、洞窟内に余っている部屋はない。

 自分の部屋?

 声が漏れ出さないとも限らないし、そこで集うことは隊員達に知られてしまう。



「洞窟内で、秘密の会談ができる場所はないと思います」

「そうねえ」

「締め切ることができるのは、スゥの部屋だけです」


「スゥの部屋ねぇ」

 JP01が難色を示す。


 洞窟の外は、ンドペキ自身が誰にも見咎められずに出て行くことができない。

 洞窟から出ずに行ける、秘密の会談にふさわしい場所は……。


 ホトキンの間しかない。



 今日の物資輸送は、その頃までには終るだろう。

 その時刻が過ぎれば、あそこまで隊員達が足を延ばすことはない。

 なんなら、プリブの部屋でもいい。

 しかし、あそこまでJP01は、ひとりで来れるだろうか。


 そこまで考えて、ンドペキは重要なことを思い出した。


「JP01、ホトキンという男が私に謎を仕掛けていたとき、あなたは助言をくれましたか? あれはあなたでしたでしょうか?」


 JP01の顔が歪んで、笑った。


「そうよ。あなたは失敗したみたいで、女性隊員が助けてくれたのよね」

「やはりそうでしたか……」

「それがどうかした?」

「いえ。ちょっと思い出したものですから。礼を言います。ありがとうございました」


 JP01の顔が、今度ははっきりと笑った。



「あなたは水系を伝って移動できるんですね。それならいかがでしょう。あの空間では?」

「そうね。わかったわ。レイチェルとの話が終ったら、私は水系から帰るわ。実際はあの場所に向かう。そこで落ち合いましょう。あんまり遅くならないでね」


 そういうや否や、JP01は、スパン!と空に向かって飛び出し、あっという間に見えなくなった。

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