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624 構って欲しそうに何かと近寄ってくる

 結局、あれきり聞き耳頭巾は使っていない。


 過去を知ることがスゥを知ることになるのだろうが、落着いた今となっては、それほど重要なこととは思えなくなっていた。

 その時が来れば、私に任せろとスゥは言ったが、結局、あれきりまともに話もしていない。

 機会がないわけではないが、自分から声を掛けることはないし、彼女からも特段のサインは送ってこない。


 いずれ、きちんと話し合わなければいけないときが来るだろう。だが、今はまだそのときではない。

 そう思っていた。



 レイチェルは、構って欲しそうに何かと近寄ってくるが、角が立たないように注意しながら、できるだけかわすようにしている。


 彼女自身は退屈しきっているのか、洞窟の外に出たがっている。

 消去の恐れがある以上、隊員を護衛につけてやるわけにはいかないため、そのたびに納得させるのだが、次の日にはライラの部屋に行ってみたいなどと言い出すのだった。


 レイチェルとロクモンは、実はかなり仲もよかったようで、時としてふたりで話し込んでいることがある。

 さっぱりした笑い声が、だれに憚ることなく聞こえてきたりする。

 ンドペキはそれはそれでいいと思っていたし、むしろ、そのことを喜んでいた。

 レイチェルにとって、気の置けない相手と話すことは気晴らしになるだろうし、その分だけ、自分の負担も軽減されているからだ。

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