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603 こちらへ参らせ給え!

「ニューキーツ防衛軍将軍、ロクモンと申すものなり!」


 声が続く。


「レイチェル閣下とお目通り願いたく、参上仕った! お取次ぎ願いたい!」


「なんだと! 今頃のこのこ来やがって! 舐めとるんか!」

 パキトポークが怒鳴った。

 声の調子に喜びが滲んでいる。


「不届き者め!」

「目にもの見せれくれようぞ!」

 スジーウォンも同調子。

 もちろん、相手の口上を真似たジョーク。



 ンドペキも、口上を投げ返す。

「よかろう! では、貴殿のみ、こちらへ参らせ給え!」


 そして、

「レイチェルに伝えろ! 大広間へ。ロクモンをそこへ通す!」と、指示を出した。

「参られ給え、ってどこで習った? 古臭い言い方ね」

 スジーウォンが笑う。



 ンドペキは、隊員達にもう一度注意を与えた。

「気を緩めるな!」

 そして洞窟の入り口で待ち構えた。



「来ました!」


 一筋の砂埃の先頭に、ひとりの男の姿。

 旗指物がはためいている。

 本隊ははるかかなたに停止したままだ。


 男は五十メートルの距離まで近づくと地面に降り立ち、歩み寄ってくる。


「かたじけない!」


 間近に来るまで、ンドペキは何も言わなかった。

 心の中では、この男を張り倒してやりたかった。

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