表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
599/731

599 心が少し晴れたような気分に

 自分がかつて見たものだと説明されても、言葉として脳には伝わったが、そこから引き出せるものは何もなかった。



 ンドペキは、スゥを抱いている腕を緩めた。

 そして肩に両手を乗せ、「ふがいないだろ」と、呟いた。


 スゥの目から、どんどん涙が流れ出し、頬からこぼれて、ぽとぽと落ちている。



「でも、私が出てきた。よかった。それだけでも……」



 それから何度試してみても、もう聞き耳頭巾の力は現れなかった。



「もはや、ここまでか」

「力みすぎてるから。また今度ってことね」

「ああ。でも、一旦は返さないと」

「もちろん。ね、あの子には、今のこと、絶対に話さないでね」

「ああ。ん? なぜ?」

「まずは、あなたが先」




 ンドペキは、心が少し晴れたような気分になった。


 依然として、スゥのことは何ひとつ思い出せなかったが、幻影だけは見えた。

 スゥが、それが自分だという女性が。


 なんとなくうれしかった。

 そして、いつか思い出せそうな気もした。



 そして今、はっきりと、自分はスゥが好きなのだと思った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ