表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
59/481

59 「撃つな」

 ンドペキは、少し緊張していた。

 ハクシュウの意図が明確ではなかった。

 サリの捜索を名目にした隊列訓練にもかかわらず、ハクシュウは完全武装を指示していたからである。



 あの日、ンドペキはサリを葬ろうとしていた。

 その意思は、当局には感知されていたかもしれない。しかし、隊長は知りえないはず。

 当局からハクシュウに、何らかの情報がもたらされたのだろうか。


 完全武装。

 これは何を意味するのか……。


 隊列はハクシュウを中心に、左翼にンドペキ、スジーウォン。右翼にコリネルス、パキトポーク。

 ハクシュウとスジーウォンに挟まれつつ疾駆しながら、ンドペキは、まさかという思いを捨てきれないでいた。



 まもなく川を渡ることになる。

 大西洋に注ぐ大河、シリー川の支流。

 本流のシリー川はアップット高原の向こう側を東に向かって流れ下っている。

 ただここも支流とはいえ、川幅は二キロほどあり、流れも速い。

 水面の上を飛行するため濡れることはないが、土や岩盤と違って反発係数が異なるため、体のバランスは取りにくい。



 ん!


 ゴーグルに白い点が光った。


 真正面。

 距離にして八百メートル、川面上。

 誰かいる!

 マシンではない!


 白い点が光ったということは人間か、それに近い動物。

 一瞬の後に、その者が視認できた。

 人間だ!

 どこの!

 兵士ではない。だが武装している!



 ハクシュウかスジーウォンのチームの誰かか!

 やはり!

 俺を!


 そんな考えが頭に浮かび、ンドペキは銃を構えた。

 人間を撃つことに一瞬のためらいがあった。

 その刹那、脳に滑り込んできた言葉。


「撃つな」


 女の声だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ