588 大阪弁で喋ったら信用する?
違う。
ユウではない。
しかし、言い切れるのか!
マトなら、再生を繰り返すたびに、顔など、少しずつ変っていく!
「私が大阪弁で喋ったら信用する?」
「なっ」
「どんな場面で再会しても、どんなに年月が経っていようとも、どんなに変わり果てていようとも、必ず最初にキスしようねっていう約束。あれ、何やったんやろね……」
「ん!」
「不思議そうやん」
「……」
「なんで、私がそれを知ってるのか。なんでかって言うと、私がそう言ったからやん!」
「!!」
ユウにしか言えない台詞だった。
しかも大阪イントネーション!
「ユウ、なのか……」
じゃ、JP01は、なんなんだ!
ユウじゃないのか!
バーチャルな僕の部屋で抱き合ったのは、ユウじゃなかったのか!
イコマが次の言葉を探し出せないうちに、スゥは立ち上がった。
「さあ、そろそろプリブの部屋に戻りましょう。今日は、とってもすっきりした! 言いたかったことがやっと言えた、って感じ」
それからスゥが、ノブと呼ぶことはなかった。
大阪イントネーションも消えた。
「私の肩にとまって。それから、今の話、忘れて。アヤちゃんにも内緒」
イコマは、わかったとも、嫌だともいえなかった。
わけがわからなかった。
しかし、スゥはユウではない、と感じた。
確信は全くないが。
こいつ……、呪術師……、何を知っているんだ……。




