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ニューキーツ/美少女戦士 膝を抱えての段:SFミステリー/トゥシー・イントゥ・ザ・ヒューチャー第1話  作者: 奈備 光
50章 こいつ……、呪術師……、何を知っているんだ……
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576 あんなものを信じるなんて

「何かあったんですか?」

「神の国巡礼教団を憎んでいる」


 当時、神の国巡礼教団を憎んだ者はたくさんいた。

 オーエンに限ったことではない。

 肉親が、いや肉親の精神や心が奪われてしまったのだから。



「彼の妻がカルトに嵌ってしまった。宇宙へ飛び出していったんだ。人から聞いた話だけど」

「そうだったんですか」


「あんた、奥さんや子はいるのかい?」

「……」


 イコマはすぐには答えられなかった。


 しかし、ライラも答えを期待していたわけではない。


「オーエンは、それはそれは悲しんだそうさ」


 思い出話モードに入っていく。


「あんなものを信じるなんて、どうかしてると思うが、それはこちらが正気だから言えること。狂気を一度でも吸ってしまったら、どんなことでも信じちまうんだね。恐ろしいねえ。宗教ってのは」



 そのとおり。


 たとえ、その教義がでたらめで固めたまやかしであっても。

 誰にでも心に隙はある。

 そこに一旦入り込んだ神の教えという類の狂気は、心の隙間を押し広げ、まっとうな心を飲み込んでしまう。

 ついには心そのものを奪ってしまうものなのだ。



 ライラが大きな溜息をついた。

 しかし、話はまだ続く。


「あたしゃ、心配なんだよ。パリサイドが帰ってきたことで、オーエンがまた憎しみを増幅させやしないか、ってね。もう手遅れかもしれないがね」

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