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574 アンドロに知り合いがいるんでね
目新しい情報もあった。
「アンドロの連中は、パリサイドに使者を送ったらしい。互いに干渉しないという申し入れらしい」
「ほう、そうなんですか」
スゥが黙っていたので、イコマが相槌を打った。
「向こう一年間という期限付き」
「その後は?」
「そのときに話し合うってことさ。それまでは、パリサイドがシリー川に住むことを黙認する内容らしい」
一年。
アンドロは、街を完全掌握するまでに、それだけの期間が必要だと思っているということか。
「かなり、悠長ですね」
「ん、まあ、そうともいえるかな」
「アンドロが生殖機能を手に入れ、人と同じような感情を持つようになるまで、ということかな」
「ん? あんた、物知りだね。どこで聞いたんだい?」
「まあ、アンドロに知り合いがいるもんでね」
「そうなのかい。珍しいアギだね。この間は失礼なことを言ったかな。謝るよ」
「いえいえ。こちらこそ失礼しました」
アンドロがそれらを手に入れるのに、どんな方法を使うのだろう。
それが話題になったが、そろそろ引き上げ時だ。
ホトキンをエーエージーエスに連れて行ったことを、すでにライラは知っている。
「これだろ。あの子に返しておくれ」
聞き耳頭巾の布地と、ハクシュウの手裏剣を出してきた。
「触らせてはもらったけど、大事に保管しておいたよ。確認しておくれ」
「確かに」




