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572 目立つのはよくない
「うーん、でも、抜けてる」
チョットマはマップを睨んで溜息をついた。
「どこが?」
「だって、ライラの部屋のあるエリアが」
「ん? そうか。このマップだと、どこにその入り口があるんだ?」
かなり苦労したが、なんとかその入り口の位置を思い出した。
「ここから、サキュバスの庭に入る」
「なるほど。でも、まずまずは正確ということだよな」
「そうみたい」
マップに、サキュバスの庭を書き足した。
「よし。少なくともこの周辺だけでも書き加えていこう。そろそろ出発できるか?」
ネールは明らかに私に向かって聞いてくる。
その気持ちをありがたいと思ったが、口にはしなかった。
訳を話せば心配させてしまう。
「フル装備で走り回る? 目立ちすぎない?」
イナレッツェは不安そうだ。
「うーん」
このスラムで装備を外してしまうのは、勇気がいる。
丸腰で敵地を歩くようなもの。
「任務は偵察。目立つのはよくないよ」
チョットマはそう応えたが、やせ我慢ではない。
ンドペキの顔を思い浮かべた。
無理はするな、と何度も念を押された。
そんなに思われていることに応えたかった。
なんとしても作戦を成功させたい。
そう思う。
「じゃ、着替えるか。幸い、ここにはプリブコレクションがたんまりある」
「アンダーくらいはつけておいてもいいかもね。兵士がいないなら」




