561 ハワードは楽観的
なるほど。
ハワードにしてもそうだ。
純血の地球人類は滅びようとしている。
それに代わって、かつて人類によって生み出されたヒト型生物であるアンドロが、肉体と簡易な思考だけではなく、生殖機能や感情をも持ち始めている。
アギやマトどころではない。
地球人類の姿は確実に変わりつつあるのだ。
パリサイドにしてもそうだ。
彼らがどんな人類なのか、まだ正確にはわからない。
彼らも、元の地球人類とは比べようのない肉体を持ち、想像を絶する能力を持っている。
ユウの言葉を借りれば、呪われた肉体。
地球に住み続けてきた人類は、滅亡に向かって最後の急坂を転がり始めた。
もうどうあがいても、彼らのいずれか、あるいは両方に、地球の主の座を明け渡さざるを得ないだろう。
「タールツーの思うようには、他の街のアンドロは動かないでしょう。タールツーは負けると思います」
ハワードは楽観的だが、タールツー自身は争いに負けることになっても、アンドロは最終的に勝利を収めることになるだろう。
もはや、それを阻止することができるのはパリサイドだけ。
そのとき、ホメムやマトやメルキトはどうなっているだろう。
アギにしても。
ハワードは、超然として椅子に座っている。
微妙な誇らしさが表情に滲み出ている。
イコマは、あわてて話題を変えた。
お嬢さんを私に、などと言い出されたら堪らない。
「ところで、いいかな」
「どうぞ」
「サリのことなんだが、続報はないか?」
「調べておきましょう」




