558 強制死亡処置者のリスト化は始められたばかり
「タールツーが長官になるんだろうか」
「そのようです。暫定行政長官を名乗り始めました。そのうち、何らかの儀式を経て、正式に長官を名乗るのでしょう」
ハワードには、レイチェルがンドペキらによって救出されたことは伝えていない。
政府軍はそれを知っているが、もしアンドロ側が知らないのなら、レイチェルの居場所を話す必要は無い。
情報が漏れないとも限らない。
「そうなれば、政府機関に勤めているマトやメルキトは?」
「徐々に排除されるのではないでしょうか。特に」
「特に?」
「軍関係はすべてアンドロが占めることになるでしょう。ンドペキ達のような攻撃軍も含めて。それから、治安関係の機関、エネルギー関係の機関、食料や物資関係の機関など、重要なポストはアンドロが占めることになると思います」
「まあ、そうだろうね」
ハワードはアンドロ。
相変わらず、説明はくどい。
「城外に逃れた政府軍は?」
「それははっきりしています。強制死亡処置です」
数百名に及ぶ強制死亡処置。
きっと、自分が兵士だった記憶を消されて再生されるのだろう。
「ンドペキ達もいずれは……」
「現在、強制死亡処置者のリスト化は始められたばかりです。まず、防衛軍兵士から。攻撃隊はその後です。ただ、攻撃隊が強制死亡処置になるのかどうか。攻撃隊は、レイチェル指揮下にあるとはいえ、街を守るという性格の軍組織ではありませんから」
「そうか……」




