557 アンドロ、タールツーの反乱
もうひとつ、気になっていること。
「東部方面の隊員はどうなる?」
「削除リストにはありません」
「まずは安心、か」
「治安省の内部は大混乱しています。監視システムや削除システム、再生システムは、まだ従来の運用を継続していますが、エラー続きの状態です。何者かに乗っ取られでもしたかのように」
なるほど、ユウが言ったとおりだ。
「施設長も幹部も、組織の形も変化はありません」
今までどおり、多くの省庁をマトやメルキトが所管しているし、ハワード自身も従来どおり勤務しているという。
「業務としては、混乱の極みですが」
アンドロ、タールツーの反乱。
レイチェルを長官の座から引き摺り降ろす。
しかし、街はホメムが治めるという不文律がある。
アンドロはどんな動きに出るのだろう。
「しかし、いずれ刷新され、運用方針が大幅に変わることも考えられます」
「ああ」
「別のアンドロの集団が各省庁を接収することも考えられます。案外、早いかもしれません。そうなれば、東部方面隊もどうなるか」
「そんな兆候があれば、すぐに教えてくれないか」
「もちろんです」
アンドロのみで街政府全体を統括することになれば、何がどう変わるのか、見当もつかない。
アンドロと、ホメムやマトやメルキトが完全に融和した、ともに平等な社会は想像しにくい。
彼らに対する偏見を払拭することは容易ではないし、アンドロ自身も変わらなければならない。
肉体的にも精神的にも。
思考という面でも。




