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551 ンドペキ、忙しいよね
部屋を出ると、チョットマが立っていた。
「どうした?」
「忙しいよね」
「ああ。でも、なんだ?」
「私さ、ンドペキと出会えて、ううん、スクールの正門で拾ってもらって、よかったなって」
そう言うと、駆け出していった。
緑色のつむじ風が舞った。
「あ、おい。チョットマ!」
チョットマの姿はもうない。
ラバーモードで話しかけようにも、ゴーグルをつけていない。
「なんだあ?」
彼女なりの最後の挨拶に来たのかも。
無理はするな。
任務は果たせなくてもいいから、必ず戻って来い。
そう伝えてはいるが。
あいつ、死を覚悟して……。
そう思うと、居ても立ってもいられなくなった。
部屋に篭って考え事している場合ではない。
あいつを探さなくては。
チョットマの部屋を手始めに、スミソの部屋、手当たり次第に隊員の部屋を覗いて回った。
瞑想の間にも向かった。
チョットマが最もいそうでないレイチェルの部屋さえ覗いた。
むろん、いない。
残されたのは、アヤの部屋。




