549 もうひとつの作戦
「コリネルス隊は、レイチェルとバードの警護及び洞窟の死守だ。ただ、二名の隊員を出してくれ。アンドロ軍攻撃の背後を固めさせたい」
「了解だ」
「念のため、全資材の数量チェックもしてくれ。長期の篭城を覚悟するとして、その配給計画を立ててくれ。期間は三ヶ月を目処だ。余力があれば、全隊員の健康管理計画、居住環境の整備計画も。ベッドの用意も始めてくれ。いつまでも硬い床の上で寝れないからな。無駄になるかもしれないが、頼む」
「うむ。わかった」
「もうひとつの作戦は、街の状況を探ること」
これが最も頭の痛い問題だった。
イコマからの情報はある。
しかし、自分達の目でも確かめたい。
ただ、危険を伴う。
「加えて補給路を確保すること。さらに、洞窟内の街に近い位置に我々の拠点を移動することができるかどうかの調査もだ。この作戦は、チョットマとネールとイナレッツェが当たって欲しい。スゥが協力してくれる」
ネールはハクシュウの部下で、冷静沈着が鎧を纏っているような男。
イナレッツェはコリネルスの部下で戦闘力、知性共にある汎用性のある女性隊員。
いずれも協調性のある兵士である。
この難しくて危険な作戦メンバーの組み合わせは、これしかないとンドペキは考えていた。
チョットマは外せないが、なにしろ直情型だし、基本的に楽天的。
部隊の拠点として可能かどうか、などという総合的な判断をさせるのは難しいだろう。
判断、決断という場面ではネールの出番があるし、それをイナレッツェが総合的にサポートするだろう。
加えてそこに、イコマを同道させたい。そうすれば思考体を介して意思疎通が図れる。
「ただ、この作戦は、どちらかのイコマ氏が帰還してからだ。彼にもその作戦に同行してもらうつもりだ。出立するまではコリネルスの指示に従うように」
三名とは、すでに作戦について詳しく打ち合わせてあった。




