545/731
545 呪われた体……、わかる?
ユウが言う。
地球が太陽に、木星でもいいよ、そういう星に飲み込まれるときのことを想像してみて。
一瞬の内に、地球という天体が何十万度にもなり、粉々に砕けて霧となり、太陽や木星の大気の一部になる。
ヒーローとヒロインが、人類をどうのこうのって、やってる時間なんてないよ。
瞬時に地球そのものがなくなるんだから。
「ううむ」
私達の本気の力って、そういうもの。
数百年間も宇宙を旅してきた。
想像もできないほど遠いところまで。
数万光年も離れた遠い星まで。
地球人類には想像することもできなかった場所を。
そのためには、私たち自身がとてつもない強さを持っていないと。
「呪われた体……、わかる?」
「はあ。想像以上にとんでもないんだな」
「人類ってさ、神がどうのこうのって、本当に泣きたくなるくらいに小さな存在。悲しいのは、それがわかってるのに、わからない振りをしてること」
ユウが、なぜここで「神」を引き合いに出したのか、ここ何百年、地球に「宗教」という存在はない。
そして、呪われた体。なぜそんな表現をしたのだろう。
少し違和感を持ったが、問わずにおこう。
ユウの指が、今度はイコマの唇に添えられた。




