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540 お布団敷いてる!
「ノブ!」
ユウが部屋に飛び込んできた。
「やっと会えた!」
うれしい気持ちそのままに、両手を広げて。
「約束のキスをもう一度!」
「うあっ、ここ大阪のマンション!」
「そう、僕らの部屋!」
「すごい! 見て回っていい?」
「もちろん!」
「わっ! お布団敷いてる! キャ、エッチ! あ、まさか万年床?」
「万年床というか、なんというか」
「もしかして、準備してた?」
「へへ。数時間以内に来るっていうから」
「フフン! じゃ、久しぶりにする?」
「いいな! 僕はバーチャルだけどな!」
「ハハ、いいやんか! そや、お風呂は?」
「もちろん。お湯も出るよ」
「ヤタ。あ、お湯もバーチャルか。でも、いいよん。気持ちのもんやから。ノブも一緒に入ろ!」
イコマは、六百年間が報われた、と思った。
狭いユニットバスの浴槽に足を折り曲げたユウ。
知り合った頃のユウだ。
二十代半ば。
黒い瞳に黒くて長い髪。
起伏の大きな肢体。
やっぱり、きれいだ。
ああ、ユウ。
改めて、幸せが噴出してくる。
本当に本当に待っていたよ。
先日、荒野で会った時には、思考がヒートアップしてコントロールが利かなくなったが、今日はなぜか大丈夫のようだ。
ジンワリと喜びをかみしめることができる。
ただただ、うれしくてたまらない。




