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530 窮地 打開策が見出せない

 街はアンドロ軍に落とされた。


 ところが頼みの正規軍中枢は、レイチェル救出に向かった隊がハクシュウ隊によって葬られたと考えている。


 東部方面攻撃隊は窮地に陥っていた。


 作戦会議は、単なる状況分析に終始。

 打開策が見出せない。



 チョットマは、今のうちにライラの部屋に戻って、あの布地と手裏剣を取りに行こうか、などと考えてしまう自分の能天気さが不思議だった。


 誰もが、絶望が迫って来つつあると感じている。

 チョットマ自身もそうだ。

 しかし、リアリティがない。

 恐怖という概念をあのスラムに置き忘れてきたのか、悲壮感には程遠い気分だった。



 パパはまだ、荒地を飛び回って状況を知らせてくれる。

 街にいるパパ本体もそう。


 あれこれ調べては、フライングアイ経由で情報をもたらしてくれる。

 ふとチョットマは、もうあの部屋でパパに会うことは二度とないかも、と思った。

 そしてやっと、それほど自分達が切羽詰った状態にあるのだと思った。




 ンドペキは、迷っているようだった。

 あの書簡を、あるいはレイチェル自身を南軍に届けるべきかどうかを。


 しかし、ある意味でレイチェルは最後の切り札。

 今ここで、その札を切るべきかどうか。

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