524 パリサイドの話題
隊員が大広間に集まっている。
隊の幹部はレイチェルと別室で話しこんでいる。
彼らを待ちながら、チョットマは軽食を配給した。
隊員達の間では、南軍に加担した隊がどこのものか、が話題になっていた。
北部方面攻撃隊ではという意見が多数だったが、反対意見もある。
彼らは隊としての一体行動はできないだろう。組織としての形が崩れている。
規律も乱れていることは衆知の事実。
組織だった戦闘の経験も少ないだろう。
そんな隊が、隊列を整えて大規模な戦闘に加われるだろうか、というのだ。
西部方面攻撃隊ではないかという声もあった。
こちらの方は、まだましだ。それなりに一体行動もできる。
しかし、先日の戦闘で壊滅的な打撃を受けているはず。
攻撃隊には、他にも南東方面隊、南西方面隊があるが、どちらも目立たない存在で、隊長も愚鈍な男と言われている。
それに、今、街の防衛は手薄になっているはず。
これらは防衛軍に編入され、街の防衛任務についているのではないか、という声が多かった。
パリサイドの行動も話題になった。
ただ単に空に浮かんで、まるで戦況を見ているだけだった。
どちらの味方をするわけでもない。
「チョットマ、やつらに連れて帰ってもらったんだろ。どんな様子だった?」
「どんなって、送ってやろう、俺の脚に掴まれって言われただけで」
「それで、ハイハイって、やつらの脚に掴まったのか?」
「一応、所属と名前は聞いたんだけど」
「おっ」
「JP01の部下だ、信用しろって。KW兄弟だって」
「ふうん。よくわからんな」
「うん、でもちゃんと連れて帰ってくれたし」
「やつらはここの位置を知っていたということだよな」
「そうみたい」
「それなら、味方してくれてもよさそうなもんじゃないか」
部隊は三つ。
アンドロの軍、政府正規軍、そして東部方面攻撃隊。
彼らはどの軍と共闘するのか、しないのか。
洞窟に引き上げてくるとき、パリサイドはまだ空に密集して浮かんでいた。
「やつら、様子見だな」
そんな意見が、最も多いように思われた。




