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520 戦えば即、自分達の破滅に繋がる
正規の政府軍が現れたことによって、事態が好転するかに見えた。
しかし、こちらの呼びかけに、彼らは応じようとしない。
チョットマのゴーグルにも相手の動きは表示されていたし、パパとンドペキとのやり取りも流れている。
また不安が頭をもたげてきた。
攻撃されるかも。
ハクシュウがやられたように。
もしそうなれば、どうすればいい。
数の点で言えば、対等以上に渡り合えるだろう。
しかし、相手はレイチェルの部隊。
そんな相手と戦うことはできない。
戦えば即、自分達の破滅に繋がる。
ハクシュウの弔い合戦は、誅敵となることを意味する。
確かに一時は、反逆者と呼ばれることを覚悟したときもあった。
しかし、今は状況が違う。
レイチェルは我が方にあり、相手はレイチェルの直属部隊なのだ。
何とか接点を持つしかない。
そして理解してもらうしかない。
ンドペキが近づきつつある南軍に何度も呼びかけている。
しかし、なんの返答も寄越さない。
すでに射程距離に入っていた。
緊張が続くが、ンドペキは絶対に発砲するな、と繰り返している。
ついに南軍が視認できる位置まで近づいた。
木々に遮られて、全貌を眺めることはできないが、兵が見え隠れする。




