52 私の髪、見られちゃった
彼女はピクニックという言い方をしたが、これはまさしく東部方面攻撃隊あげての公式な作戦行動だ。
危険を伴う。
万一、イコマの目や耳であるフライングアイが壊されでもしたら、イコマ自身にペナルティが科される。
普通の場合なら一ヶ月間の使用禁止処置程度で済むだろうが、軍の行動に便乗していたことが罰にどの程度影響するか、不安がある。
万一、厳しい採決がなされたら、思考起動時間の短縮もありうる。
これは痛い。
「そうそう、パパ、すごいことになったんだよ」
チョットマが目を輝かせた。
「会議で?」
「そう。どんなことだと思う?」
「見当つかないよ」
「顔を見せ合ったんだ!」
「へえ! 兵士にしては珍しいね!」
「そう! ハクシュウがさ、ヘッダーもスコープもはずして」
ハクシュウが頭部の装備を外し、目や口元や素肌を見せ、リーダー連中もそれに倣ったというのだ。
「君は?」
「ンドペキ達がそうしてるのに、私だけがしないってわけにはいかないじゃない」
ハクシュウは伍長達と絆を深めようとしたのだ。
「マスクは?」
「さすがに、それははずさなかった。でも、私の髪、皆に見られちゃったし、声も聞かれちゃった」
「それは良かった」
「恥ずかしかった」
チョットマは、淡い緑色で光沢のある髪をロングにしている。
かなり目立つ。
「私さ、マスクとボディインナーはセパレートタイプ。ボディの中に髪を入れちゃうと、頭が動かしにくいから、髪を外に垂らしてるんだ。だからさ、見られちゃった」
「いいじゃないか」
「嫌なんだな。この髪の毛。政府の再生装置って、時々変になっちゃうでしょ。あれ何とかならないかな」




