518 我々を敵とみなしている可能性あり!
ンドペキ率いる隊と南軍は北軍を追っていったが、装備の水準は同レベル。
逃げている敵に追いつくことは難しい。
それでもンドペキは追っていった。
やがて南軍と並行して走ることになった。
その距離は縮まっていく。
約十キロ。
「南軍からの攻撃に注意! 彼らは我々を敵とみなしている可能性あり!」
そう叫んでおいて、ンドペキは南軍に向かって、メッセージを放った。
「我々は、東部方面攻撃隊である! 指揮官はンドペキ! レイチェルの命を受けて、貴軍を援護する!」
応答は返って来ない。
クソ、やはりそうか!
ンドペキは唇を噛んだ。
「東部方面隊! 左方へ一旦離脱! 南軍と距離をおけ!」
南軍がこちらを味方だと認識していない以上、十キロ程度の距離で並走するのは危険が大きい。
側面から攻撃されると、犠牲は少なくない。
「左方二十キロ、森へ! そこで待機! 各隊で集結しろ!」
イコマからはもう報告は来なかった。
スピードについていけないのだ。
「イコマさん! 我々は一旦、追走を中止した! 後は頼む!」
「そのつもりだ!」
森の中で停止した。
たちまち隊員達が集まってくる。
「全員揃ったぞ!」
パキトポークとスジーウォンから、相次いでメッセージが届く。
「隊ごとに、その場で待機! イコマからの戦況報告を待つ!」
「了解!」
パキトポークとスジーウォンの隊は、それほど離れてはいない。
数キロ程度。
集めてもいいが、またすぐに進軍を始めるかもしれない。
もちろんンドペキもパキトポークらも、今や自らの探査で南北両軍の動きは手に取るようにわかっている。
しかし、目で見なければわからないことも多い。その表情や戦意、どちらを向いているかなど。
イコマの逐次報告はありがたい。




