517 ターゲットは北軍!
「退避します!」
くそ!
間に合わない!
今、洞窟から出陣しても、戦場に到着するには最低でも数十分はかかる。
「ちきしょう!」
それでも、ンドペキはフライングアイを引っ掴み、大広間に走った。
「レイチェル! ここにいろ!」
ンドペキ隊の戦闘準備はすでに整っていた。
「これより、政府軍の援護に向かう!」
そう叫んで、洞窟の入り口に突進した。
すでに、洞窟の入り口を塞いでいたカモフラージュは取り除かれ、パキトポークとスジーウォンの隊は、洞窟の外で命令を待っていた。
「隊列は無用! 戦場に急げ!」
「あああっ!」
イコマが叫んだ。
「新手が現れた! 南から!」
「どこの軍だ!」
「わからない! 北軍に砲撃を始めている! その数約五十!」
「よし!」
南軍!
何とか、持ちこたえろ!
ンドペキはがむしゃらに走った。
「北軍、後退を始めた!」
「南軍、隊形を立て直した! 三つの隊に編成を変えた!」
「北軍、いよいよ後退!」
南の空におびただしい閃光が走っていた。
「北軍を挟み撃ちにするぞ! 旗指物のない兵が北軍! ターゲットは北軍!」
ンドペキは号令を下した。
「いいか、よく聞け! このまま進めば、北軍の北西からアタックすることになる! 半ば敗走兵だ! がむしゃらに向かってくる恐れがある! 注意しろ!」
次々にイコマが戦況を伝えてくる。
「北軍は引いている。しかし、秩序は保たれている!」
「捨て駒を使っている! 本隊は無傷!」
「なおも撤退! しかし余裕のある引き際!」
「北軍、東北東に進路を転換!」
こちらの動きを察知したか!
東北東に向かうとなれば、追いつかない。
「北軍を追走する!」
ンドペキは叫んだ。
「僚軍が右から接近! どこの隊か不明! だが、敵と見誤るな!」




