505 さすがね、東部方面攻撃隊
もう自分では収拾できないことは明らか。
レイチェルは目を伏せている。
数多の声をじっくり聞こうという態度、なの?
パキトポーク、コリネルスは我関せずという様子。
スジーウォンは、薄ら笑いさえ浮かべているように見える。
彼らはンドペキの、隊長としての手腕を確かめようとしているのだろうか。
チョットマは不安になってきた。
ところが、肝心のンドペキも平然として、時々フッと笑ったりしているではないか。
どうしよう!
どうしよう!
やっと、ンドペキがレイチェルの方を向いた。
「ということです。レイチェル、やはり別室で待っていてくれませんか」
うん、それがいい!
ううっ、でも、緊張する!
レイチェルがすんなり従ってくれればいいが、嫌だといったらどうする!
チョットマはすがる思いで、レイチェルを見つめた。
ふと、サリを見ているような気分になった。
やっぱり私にではなく、サリに似ている。そんな気がした。
「そのようね」
レイチェルが、にこりと笑った。
「さすがね、東部方面攻撃隊」と、立ち上がる。
近くにいた隊員が介助する。
「皆さんに気を使わせてしまった。ごめんなさい」
そう言うと、大広間から出て行く。
手や足は、まだままならないようで、ぎごちない歩き方。
隊員達の目がその姿を追ったが、レイチェルは始終にこやかな表情だった。
よ、よかった……。
チョットマは胸をなでおろした。
しかし、レイチェルが歩きながら、一瞬、自分に目をくれたことを見逃さなかった。
その眼に、むらりとした怒りがあることも見てしまった。
つくづく、まずいことを言ってしまったと後悔した。
「それで?」
ンドペキが何事もなかったかのように、説明を求めた。
「えっと、あ、何でしたっけ。緊張したので、何を説明しようとしていたのか、忘れました!」
「地下通路を通って街へいく場合に備えて、その経路の状況を」
「ハイ!」




