表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/481

5 スコープは以前暗いまま

「あいつは海の獣を食ってるらしい。いったい毎日どれだけ食ってんだろうな」


 サリから返事がない。


「ん?」


 ゴーグルモニタの隅っこに先ほどまで点灯していたサリがいなかった。

 パーティメンバーの位置に小さなマークが点灯するのだが、今は暗い。



「サリ」


 呼びかけに応答がない。


 俺はすぐさま全速力で引き返し始めた。

 ゴーグルはすでに広視界モードに切り替えてある。

 しかし、スコープは以前暗いまま。

 半径十キロ以内に兵士は誰もいない。


 視界の隅で、鷹が急降下するのが見えた。

「なに!」

 反射的に白熱弾を放ったが、鳥の翼をかすめもしないで大気に吸い込まれていった。



 連続して撃った。

 しかし鳥の姿は見えなくなった。

 地上に降りたのだ!


「サリ!!」


 戦闘中に無意味に呼びかけるのはタブーだが、俺は思わず叫んでいた。


「どこにいる!!」


 位置ランプは依然点灯しない!!




 俺は部隊の本部に緊急連絡を入れながら、鳥が降り立ったと思えるエリアに急行した。

 あたりの地形は起伏が激しく、視界が利きにくい。

 どこかの窪地に倒れたサリを鳥が執拗に攻撃しているのではないか。


 立ち止まり、地這レーダを流した。

 巨大な熱感反応!

 鳥だ!

 が、その瞬間、鳥が飛び立った。

 数秒後にその地点に到達したが、そこにサリの姿はなかった。



「サリ!!」


 やはり応答はない。

 依然としてスコープには何も映らない。

 鳥が飛び立った窪地には、浅い水溜りと少しの草が生えているだけ。

 身を隠すようなものはない。



 結局、サリの姿はおろか、彼女の装備の一部さえも見つけることはできなかった。


「まさか」

 鳥が連れ去ったのか。


 鳥の姿はすでにない。

 すぐさま視界の利く稜線に移動したが、見渡す限り空には一点の染みさえなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ