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498 たいした度胸
敵軍は相変わらず動かない。
洞窟が近づき、ンドペキはパキトポークといろいろな話をした。
互いに、イコマを介して知っていることばかりだったが。
「俺達がなぜ、あそこで寝ていたか、わかるか?」
「疲れて眠っていたんだろ」
「それもある」
「他に?」
パキトポークによれば、オーエンが言ったそうだ。
あの施設は、様々な粒子を超高速で飛ばす実験装置。
飛ばす位置も、その量や密度、飛ばす形状さえもコントロールできる。
超高密度、しかも薄い層にして飛ばすと、どんなものでも真っ二つにすることができるという。
「自慢してやがった」
「で、姿勢を低くしてたんだな」
「そういうことだ。そうして横たわっていたら、どうにも我慢ができずに眠ってしまった」
「たいした度胸だな」
「度胸もクソも、あそこじゃなんの役にも立たんさ」
「フン、オーエンめ」
「ところで、いまさら聞くが、ホトキンはあれでよかったのか」
「忌々しいジジイだ」
「なあ、スゥ」
「なに?」
「以前、洞窟を案内してくれたとき、おまえ、怖い話の例を挙げてたよな。瞑想の間で」
「うん」
「あれ、何と何だった?」
「え、どういうこと?」
あの謎掛けの部屋であったことを話した。
そして、水中の影に話しかけられたことを話した。




