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496 ひとつ、ふたつ、みっつ
ホトキンがオーエンの希望を無視すれば、まずいことになる。
「ホトキン! どうした!」
オーエンがまた怒鳴った。
「おまえの力が必要だ! おまえも知っているだろう! やつらが地球に帰ってきた! すぐにあれを再開せねば!」
依然として、ホトキンは無視している。
「フン、いい気になりやがって。勝手なことを言ってやがる」
と、呟いただけだ。
やつら、とは?
パリサイド?
あれ、とは?
どうでもいい。自分が詮索することではない。
早く扉を。
ただ、それだけだ。
オーエンのあの殺傷装置はここでも効力を発揮するのだろうか。
もし、ここには備わっていないのなら、ホトキンを降ろしてもいいかもしれない。
そうすれば、オーエンは扉を開けるかもしれない。
約束だ。
少なくとも、連れてきたのだから。
「オーエン! ホトキンをここに残していく! 扉を開けろ!」
言うが早いか、ンドペキは隊員に命じて、ホトキンを背負子から降ろし始めた。
スパンッと扉が開いた。
ひとつ、ふたつ、みっつ。
「おまえ達はここに残れ!」
隊員に言い残して、ンドペキはチューブに突進した。




