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494 荒地軍が動かない
「起きてください」
「おっ」
ンドペキはたちまち目が覚めた。
「動いたか!」
「それが、様子が変です」
「ん?」
「荒地軍が動かないのです」
時刻は、朝の九時になっていた。
「なに。もうこんな時間か」
かれこれ、四時間も眠っていたことになる。
「あ、ホトキンは?」
「大丈夫です。あなたの背中で眠っておられます」
この時刻になっても荒地軍が動かないのはおかしい。
時間をかけても、メリットはないはず。
洞窟の隊に、防衛準備の時間を与えるだけだ。
最初から兵糧作戦を取るつもりだろうか。
「こちらに感づいた様子は?」
「それはわかりませんが、誰一人向かってきません」
決断の時だ。
エーエージーエスの入り口に向かおう。
荒地軍に近づくことになるが、チューブの中で待っているであろうパキトポークとスゥをこれ以上、待たせるわけにはいかない。
それに、ホトキンをいつまでも背負子に縛り付けておくこともできない。
慎重に移動を始めた。
空には相変わらず数人のパリサイド。
そういえば、会談の日は?
いつだろう。よくわからなくなっていた。
シリー川は、今、どうなっているのだろう。
ホトキンを連れ帰ったとき、レイチェルの部屋に顔を見せ忘れたことに気がついた。
まずかったかな、と思ったが、後の祭。




