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472 それは、おぬしの仮説でござるな

「今、お話ししたいくつかの視点を繋ぎ合わせて、僕はひとつのストーリーに思い至った」

 そう言って、イコマは話を再開した。


「ずばり言おう」



 レイチェルは自分の伴侶を探すため、自分のクローンを作った。

 そして、街に放った。


 極めて不敬な言い方を許していただきたい。

 クローンに、私の「いい人」を見つけておいで、と。



 そして、白羽の矢が立ったのが、ンドペキ。



「そんな……」

 チョットマが呟いたが、イコマはそれを無視して、

「それで、すべての説明が可能になる」と、言いきった。




 サリは、ンドペキが気に入った。

 ンドペキもそれなりに。


 会話や行動は、常にモニターされている。

 そう。

 ンドペキがサリを食事に誘ったあの瞬間も。


 食事の誘いを、サリは拒みはしなかった。

 イエスとも言わなかったが。



 その直後、サリの姿が掻き消えた。




 強制死亡処置。

 消去。




 それは、レイチェルの指示ないし承認なしに行われることはない。




 そしてその後、レイチェルがンドペキの前に現れたのです。

 サリの容姿とよく似たレイチェルが。

 まるで、恋人候補よ、というように。

 JP01の要請があったとしても。


 レイチェルにはかなり失礼な言い方をしている。

 許して欲しい。


 この推論、僕は当たらずとも遠からず、だと思っている。

 彼女の言動は、それほど顕著だったと思うからです。




「異論、ありませんね」


 予想通り、ロクモンが目を剥いた。


「それは、おぬしの仮説でござるな」

 口調に怒気を含んでいる。

 立場からすれば、聞き捨てならぬのは当然。

「そう。あくまで推測の域を出ない」



 ここから先は、いよいよ思いつきレベルの話になる。

 華を添えてくれるのはハワードだ。

 下打ち合わせなどしていないが、きっと応えてくれると信じるほかない。

 応えてくれなければ、推論は崩壊してしまうだろう。


「ですが、仮説を裏付ける事実を発見したのです」

 イコマは間をおかずに、話を展開していった。

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