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469 強制死亡処置リスト

 では、結論に近づいていこう。


 ンドペキは、サリを殺して自分の生を終わりにしようと考えていた。

 これは、自ら告白している。

 皆さんも覚えていますね。


 実は、アドホールへ向かうンドペキとサリの会話を、チョットマは聞いていた。

 盗み聞きしたわけではない。

 ンドペキとサリは普通に、キュートFモードで話していたのだから。



 隊員でない人のために、少しだけ説明を加えます。

 チームを組んで戦闘に入る場合、東部方面隊の通信モードは、通常、キュートFモード。

 音声と文字による通信で、半径十キロ程度の距離にいる東部方面隊員であれば全員が交信可能。

 戦闘が始まると、音声通話では聞こえない場合があるから文字も併用。

 先ほどの戦闘でも、キュートFモードが使われていた。



 さて、どんな会話が交わされていたのか。


 ンドペキはサリを食事に誘った。


 それがどんな意味を持つか、分かりますね。


 もし、ンドペキがサリを殺したのなら、政府のシステムは何をしていたのか、となる。

 業務怠慢としか言いようがない。

 同じことは、クシの場合も言える。

 人がサリを殺したのなら、殺人者は必ず罰せられる。

 ちなみにンドペキは当時、その場に他の人はいなかったと言っている。



 よろしいか。


 では、人ではなく、殺傷マシンなどに殺された場合。

 自動的に再生処理が行われ、記録に残る。

 しかし、記録にはない。



 死亡ではなく、自発的な失踪ではないかという疑問も残るが、これはありえない。

 なぜなら、KC36632が、人が死んだときに送られる次元の隙間でサリを見ているからだ。


 失踪ではない。



 つまり、サリの死亡は強制死亡処置しか考えられない、ということになる。

 いわゆる、消去。



 では、強制死亡処置リストには?

 だが、ここにもサリの名はなかった。




 さて、視点を変えて、もうひとつ、問題提起をしておく。


 僕は、サリの情報の少なさに疑問を持った。


 ハワードによれば、全世界の基本のデータベースに、彼女の情報がないという。

 この地球に生まれ、社会の一員として生きていくには、そのデータはなくてはならないもの。

 アクセスIDというような、使い捨ての番号とは違う。

 極めて厳密に管理されたこの世界で、最終的に個人を特定する、大元の原本データ。

 これがない。



 これは、何を意味するのか。


 サリは、マトでもメルキトでもない、つまり連綿と続くヒト再生システムから外れた人物ではないか。

 と、思い至るわけです。



「サリの事件は、この辺りでひとまず置いておこう」

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