468 「ちがう!」「最後までお聞き」
「思い出して欲しいことがある」
パーティに現れたサリは、兵士用のブーツをはいていた。
KC36632には必要ないものを。
KC36632がレイチェルを刺したのではない。
サリは、KC36632ではない。
パリサイドでもない。
「このことは、これからお話しすることの前提となる。よろしいか?」
チョットマが両手で目を覆った。
「重要なもうひとつの側面について考察してみよう」
サリの死因。
つまり、誰かに殺されたのか、戦闘によって命を落としたのか、はたまた何らかの理由によって強制死亡処置が執られたのか。
殺された場合。
犯人は誰か。
真っ先に思い浮かぶのは、同行していたンドペキ。
もうひとり、クシという人物。
東部方面隊の元兵士で、放逐処分になった男。
いすれも、完全武装したサリを倒す能力を有している。
まず、ンドペキ。
「ちがう!」
叫んだのはチョットマだ。
「最後までお聞き」
イコマは穏やかに諭して、チョットマが落着くのを待った。
先ほどからチョットマは、嗚咽を漏らすまいと堪えている。
緑色の髪が小さく震えている。
「ンドペキ、チョットマ、あの話をしてもいいかい?」
耐え切れず、チョットマは泣き出してしまった。
それでも「うん」と頷いた。




