463 溶岩プール!
「負傷兵を確認しろ!」
ンドペキの指示が飛ぶ。
「全員無事!」
すぐに声が返ってくる。
どの隊にも、かすり傷ひとつ負ったものはいなかった。
「パッキー! スジー! 敵陣を確認しろ! 生きている者があれば捕捉しろ!」
チョットマはまだそこに立ち止まったままだった。
振り返ると、岩の上に仁王立ちになったンドペキの姿。
光沢のある黒い装甲がシルエットとなって。
完全な勝利だった。
胸に込み上げてくるものがあった。
戦闘に勝利した喜びなのか。
とうとう本気で人間同士で殺し合いをしてしまったことのプレッシャーなのか。
それを、今頃になって感じたからなのか。
はたまた、単に緊張感がほぐれてきただけなのか。
ジワリと身体中に血液が流れていることを感じ、汗が流れた。
ゆっくりと長い息を吐き出した。
「なにもない!」
パキトポークから報告があった。
「見事に消滅している!」
「幅一キロ、深さ百メートルほど! 巨大クレーター!」
「底の岩が溶けている! まるで溶岩プール!」
ストン!
パリサイドがンドペキの脇に降り立った。
「支援を感謝する」
ンドペキがオープンモードで言った。
パリサイドは、ひと言ふた言ンドペキにささやくと、飛び立った。
ンドペキが、パキトポークとスジーウォンに命じた。
「周辺も探索しろ!」
「了解!」
「みんな! よくやった!」
ンドペキが叫んだ。
「幸先のいいスタートが切れたぞ!」
その通りだった。
アンドロとの戦いは始まったばかり。
困難はこれから。
緒戦を制したことで意気は上がるし、敵軍の戦闘力をかなり削減したことになる。
「今のパリサイドは、俺達が圧倒していたと言った」
「おおおっ!」
「当方にひとりの死者も出さないために、助太刀したということだった!」
隊員達から雄たけびが上がった。
「JP01だったのか?」
聞いたのはコリネルス。
ンドペキはすぐには応えなかった。
チョットマはなんとく嫌な予感がした。
そして、その予感は的中した。




