表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
459/481

459 俺達のレイチェルを……

 すでに一分ほどが経過している。


 淵は、何事もなかったかのように黒々とし、緩やかに水を流しているだけ。

 飛び込んだ隊員が一人。ロクモンの副官。

 もうひとり、ハワード。


 ただ、ロクモンの部下とハワードはその場で引き上げられている。

 同室となった隊員らが、飛び込んだ二人の足を咄嗟に掴んでいた。




 誰もがそこに凍りついたかのように突っ立っていた。

 ンドペキは水際に立ったまま、ものすごい形相で水面を見つめている。

 万一の時にはンドペキを抱え込もうとするかのように、パキトポークがすぐ横で睨んでいる。




 KC36632が、レイチェルを刺した……。


 抱え込んで、水に飛び込んだ……。


 そのことが全員の頭に染み込んでいった。




 だれも止められなかった。

 完全に油断していた……。


 KC36632はレイチェルに話しかけることもなく、近付くやいなや、隠し持った短剣もろとも体をぶつけたのである。




 スジーウォンの声がした。

「KC36632だったのか?」


 ンドペキが振り返った。

 視線をまともに受けて、スジーウォンはためらい、首をすくめた。




 チョットマは胸が苦しくなった。


 あれはKC36632ではない……。


 まさか……。

 まさか。


 サリ。

 サリ……。




 スゥの声がした。


「KC36632じゃない」


 ンドペキがスゥに向き直り、睨みつけた。

 その視線を跳ね返すスゥ。

 ふたりは睨みあったまま、数分が経った。




 やがて、ンドペキはがっくり肩を落とした。

「なんてことだ……」

 と、頭を抱え込んだ。


「くそ……」

 そしてうなだれた。



「俺達のレイチェルを……」



 ロクモンが仁王立ちしたまま、水面を睨みつけていた。

 その肩は、誰の目にも分かるくらい、震えていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ