表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
440/481

440 探してみたら?

「あの洞窟で、スゥよ。何がしたいんだい?」


 おせっかいかもしれないが、言わせておくれ。

 おかげでおまえの商売はあがったりじゃないか。

 せっかく客が押し寄せてきてるのに、おまえがいないんじゃ。

 あのボンクラ社員どもだけじゃ、とても捌けていないじゃないか。


「まあねえ」

「商売を捨ててでも、やらなくちゃいけないことって、何なんだい?」



 ライラは、痺れを切らすふうでもなく、とつとつとスゥに問い続けている。


 あたしゃ、あのタブレットが欲しい。

 それをこの街のみんなに配って、終わりにしたい。

 商売をやめようと思っているのさ。

 後は、スゥ、おまえに任せたいんだよ。



 スゥが笑った。

「いつも上手ねえ。でも、そんな誘いには乗らないわよ」

「ん? なに?」


「そんなことを言って、私を騙すつもりでしょ。泣き落としなんかに、引っかかるもんですか」

「スゥ、ここまで言っても」

「ストップ! ライラも耄碌したかな。くどいよ」



「やれやれ、おまえが一筋縄ではいかないことは、よーくわかってる。でも、そろそろあたしを引退させてくれても」

「だから、くどいんだって!」


「本当は、もう生きていくのが面倒になったんだよ」

「それこそ、自分の商売じゃない。再生されない死を提供するのが、呪術師ライラの最も得意とするサービスよね! そこの水系に放り込んで!」

「放り込むなんて、人聞きが悪い。おまえの洞窟だって、それなりの雰囲気作りはしてあるだろうが、していることは同じじゃないか」

「とも言えるけどね」


「そういや、覚えているかい? あの洞窟をおまえに譲ったときのこと」

「忘れるものですか! ライラが政府に掴まって、その間、法外な賃料を払ってやったんだから」

「そんな言い方をするのかい。あれは……、いや、もう昔のこと。どうでもいいこと」




 ライラはうつむいたまま、何度も首を振る。

 こんな会話はもう疲れた、というように。


「ねえ、ライラ。思い出を枕に眠りたいってねえ。サキュバスの庭の女帝が。仕事にも、生きていくことにも疲れたって言いたいわけ?」

「そんな呼び方はよしておくれ」


 また深い溜息をついた。


「じゃあさ、神の国巡礼教団のシップで、宇宙へ出て行った娘さん、探してみたら?」



 ライラがすっと目を上げた。


「パリサイドの中にいるかもしれないよ。ニューキーツにきたパリサイドの代表者は、地球で生まれた人みたいだし。彼ら、とてつもなく長生きみたいだから」


 ライラの指が髪をいじり始めた。


「オーエンの奥さんもね。お友達だったんでしょ」


 ライラの目が険しくなった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ