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423 そうか……。あいつだな

 ホトキンの間に現れたチョットマ。

 憔悴しきった顔で、入り口から入ってこようとしない。

 うなだれたスゥと、JP01の、いやユウの顔を見て、遠慮がちに言った。


「話があるんだけど……。なかなか帰って来ないから……。今、ダメ?」


 ンドペキは、努めて明るく言った。

「いいよ。なんだ?」


 チョットマは、迷うそぶりを見せたが、切羽詰っているのだろう。

「さっきね」と言い出すと、泣き声になった。



「レイチェルが」

「どうした?」

「もう、私は用済みだって」

「なに!」

「私、ふざけるなって言ってやったんだけど、気になって。ンドペキ。私、足手まとい?」


 ンドペキとイコマは同時に言った。

「そんなことがあるか! あいつ、ふざけたことを言いやがって! 俺が今からレイチェルと話す!」




 ンドペキが立ち上がるやいなや、スゥがさっと立ち上がった。


 バーチャルの水壁に目をやると、

「なにかいる!」

 と、通路に飛び込んでいった。



「スゥ!」

 ンドペキも後に続く。

「クッ!」


 ユウも姿を消した。


「チョットマ、話は後だ! そこで待ってろ!」




 スゥが地下通路の脇道にある、ホトキンの機械室に突き進む。

 ンドペキもわずかに遅れて続く。

 一瞬のうちに、機械室に到達したが、誰の姿もない。


 ふたりとも装備はつけていない。スキャナーは使えない。

 肉眼だけが頼り。


「うむう」


 どこも変わったところはない。




 地下通路にも、ホトキンの機械室にも、バーチャルの水壁の中にも、誰もいなかった。


「何かいるはず」


 スゥが執拗に探したが、やはり誰も見つけ出すことはできなかった。


 ンドペキは、もしや淵の中に何かいたのではと思い、ユウが浮上するのを待ったが、ユウはそれきり姿を見せなかった。



「そうか……。あいつだな」


 スゥが呟いた。

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