422 ここからが本当に聞いて欲しい話
ユウが話していた。
「アギのノブ。今から言うことを、よーく聞いてね。そして怒らんといてね」
「わかった。こんなことが起きてるんだ。もう、どんなことも驚かないし、ユウのすることに怒ったりしない」
「うん。じゃ、まず謝る」
「なんだ、謝るのかよ」
「ンドペキとノブを、私の考えで同期させちゃった。いいでしょ? いや? 嫌なら戻すこともできるけど」
ンドペキは、アギのノブと同期していることを、また実感した。
自分は今、スゥと話している。
スゥに心を奪われている。
スゥの涙を見て、動揺している。
なのに、頭の中にアギのイコマが話していることが、自分が話していると感じてしまう。
ユウが問うたことを、その必要はない、とイコマとして考えている。
アギのイコマが言った。
「そんな必要はない。彼が僕なら、当然じゃないか。彼は僕なんだから。僕は彼なんだから」
「ありがとう! ノブはきっとそう言ってくれると思った」
「でも、事前に言ってくれてもいいと思うけどな」
「そんなこと、できるはずないやん! だって、ノブは私の言うことを信じてくれると思ったけど、ンドペキの方は、信じてくれるはずないやん」
「でも」
「ンドペキが記憶を取り戻す前にノブに話してしまったら、もしンドペキがそれを拒んだとき、どうする?」
「ややこしくなるな」
「でしょ! それは避けたかった。いずれきっと、スゥが役目を果たしてくれると思ってたから、ノブにはちょっと待ってもらったのよ」
ンドペキは思った。
その通りだ。
自分は東部方面攻撃隊の隊長で、それどころではない。
こんな途方もないことを聞く耳は持たなかっただろう。
「ノブ、ここからが本当に聞いて欲しい話。いい?」
「きっと、おぞましいことを言うんだろうな」
そのときだ。
声がした。
「ンドペキ……」
チョットマだった。




