409 なるほど、そういう見方もあるか
今日の物資輸送は、その頃までには終るだろう。
その時刻が過ぎれば、あそこまで隊員達が足を延ばすことはない。
なんなら、プリブの部屋でもいい。
しかし、あそこまでJP01は、ひとりで来れるだろうか。
そこまで考えて、ンドペキは重要なことを思い出した。
「JP01、ホトキンという男が私に謎を仕掛けていたとき、あなたは助言をくれましたか? あれはあなたでしたでしょうか?」
JP01の顔が歪んで、笑った。
「そうよ。あなたは失敗したみたいで、女性隊員が助けてくれたのよね」
「やはりそうでしたか……」
「それがどうかした?」
「いえ。ちょっと思い出したものですから。礼を言います。ありがとうございました」
JP01の顔が、今度ははっきりと笑った。
「あなたは水系を伝って移動できるんですね。それならいかがでしょう。あの空間では?」
「そうね。わかったわ。レイチェルとの話が終ったら、私は水系から帰るわ。実際はあの場所に向かう。そこで落ち合いましょう。あんまり遅くならないでね」
そういうや否や、JP01は、スパン!と空に向かって飛び出し、あっという間に見えなくなった。
「イコマ、どう思う?」
「パリサイドは天秤に架けているんだろ。アンドロかレイチェルか。どちらと話し合うか」
「うむ」
「ほとんどの街はパリサイド拒絶の方向だが、まだ、明確な表明はしていない。しかもニューキーツはアンドロの支配下。このような状態でこちらを支援するというのは、他のパリサイドの手前、JP01もやりにくいんだろう」
それは理解している。
「しかし、JP01はチョットマとスミソを助けてくれた。あのときのようなことを期待しても、やはり難しいかな」
「逆にこうとも言える。こんな状況になっていても、パリサイドはレイチェルを、そしてあんたを、ひいては地球人類を見捨てていないということ」
なるほど、そういう見方もあるか。
いわば、我々は虫の息。
自力で街を奪還する手立てもない。
いずれは洞窟を取り囲まれてあぶりだされてしまう。
そんな我々にJP01はまだ望みを託している、と言えるのかもしれない。
「JP01の話、あんたも指名された。いったい何かな」
「さあ」
ンドペキとイコマとスゥ、そしてJP01。
このメンバーで何を話し合いたいというのだろう。
フライングアイに表情はない。
イコマは言葉少なだが、今なにを思っているのだろう。
ンドペキは不安を抱えながら、洞窟に戻った。




