402 疑問が解けたこと
スゥをどう思うかとユウに問うてもみた。
目の前にいるパリサイドのJP01こそがユウ。
やはり、そう思う。
しかし、ユウは、スゥについて何も話そうとしなかった。
よく知らない人だし、と。
シリー川でスゥがユウを狙撃したことを持ち出しても、まあね、と言うのみ。
スゥがアヤを救出してくれたのだと言っても、さあ、と言葉を濁すのだった。
それにしても、なぜスゥは、あんなことを言い出したのだろう。
サキュバスの庭の彼女の部屋で。
スゥは大恩人であることに変わりはない。
ただ、あれ以来、スゥはノブとは呼ばないし、話題にすることもない。
疑問が解けたものもある。
KC36632。
彼女がなぜサリの顔を持っているのか。
当初の説明は、単に気に入ったから、だったが、そのいきさつが分かった。
パリサイドは次元を移動することもできるという。
相手の次元にもよるが。
だからこそ、宇宙空間をいとも容易く旅することができるわけだ。
地球に帰還してからすぐ、地球を取り巻く各種の次元を調査したという。
無数とも言える次元が存在するが、そのうち、人類に影響があるのは、アンドロのバックディメンション。
そしてマトやメルキトの「捨て場」である次元の隙間。
つまり、ハワードが教えてくれたクレパスという空間。
そこで、サリを見たのだ。
すぐに消滅するとは言っても、パリサイドにとっては十分な時間。
KC36632は、もう死んだ人だから顔の構成や形を拝借してもいいだろうと考えたらしい。
パリサイドの中には、マトやメルキトの再生システムを知らない者も多い。
KC36632もそう。
フライングアイは、ひとつは街に帰った。
法外なレンタル料を取られるジャンク品の方。
他の街の様子も知りたかった。
ひとつのフライングアイは洞窟に留まっている。
一日の大半をアヤの部屋で過ごす。
ユウと再会したことを話した。
ユウがもう話してもよい、と言ってくれたからである。
それを聞き、アヤはいつまでも泣き続け、よかったと繰り返した。
しかし、ユウが誰で、どこにいるのかは伏せておくことになっている。




