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400 厳しい母親に反発する娘みたいな

「あまりレイチェルに噛み付くのは、どうかと思うよ。そういう意味でも」

「うん……」

 指摘されるまでもなく、気にしている。


「どうしてなんだろ」


 なぜか、レイチェルには刃向かってしまう。

 ンドペキを取られるような気がするから?


 以前は、そう思っていた。

 でも、それだけではないような気もしている。



「ねえ、ネール。私とレイチェル、似てる?」

「うーん」

 答えにくそうだ。

「やっぱり、似てるのね」

「まあねえ」


 確かに、背格好や体格は瓜二つ。

 顔の造作もかなり似通っている。

 はっきり違うのは、髪。

 声の質も違う。だから「金管楽器」なんてあだ名。



「考えが読めない、よくわからない人ってことかな」

 ネールは、レイチェルの性格は計り知れないという。


「悪意はないようなんだけど」

「ええっ。あれは悪意そのものじゃない」

「おいおい」


「いつもいつも」

 そうは言いながら、チョットマにしても、自分がすぐに過剰な反応をしてしまうことがいけないと分かってはいる。


「おまえだけに、どうも当たるよな」

「でしょ」

「でも、本質的な意味で、悪人じゃないという気がするね」

 そのとおりなのだろう。



「だめなんだな。どうしても反発してしまうんだ」

 なぜなのか、自分でもわからない。


「怒るなよ。それって、対抗意識があるんじゃないのか?」

「うーん」

「女性同士の」

「うーん。わからない」

「あるいは、母と娘みたいな。厳しい母親に反発する娘みたいな」

「そんな例え、分かるはずないよ」

「まあね」


「それにさ、いつもきっかけは向こうからだよ。私がきっかけを作ったのは、最初の作戦会議のときだけ」

「そうだね。あれからかな。君らのバトルは」

「きっと、執念深いのよ、レイチェルは」

「いずれにしても、周りから見てると、はらはらするよ」

「でしょうね。ごめん」

「謝らなくてもいいけど」

「ありがとう」



 チョットマは、心からありがとうと言った。

 そんな話をできる人が、パパ以外にできた。

 それがうれしかった。

 そしてネールが、レイチェルとも仲良くしなきゃ、などと正論を吐かなかったことがうれしかった。

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