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21 性別さえも、たぶん女

 チョットマが出て行ってから、イコマは知人に連絡を取った。


「わかるかい?」

「ん? 成功報酬だ。金額は内容による。その時点で、こちらの言い値を支払ってもらう」


 相手は、いつものようにぶっきらぼうだったが、探してくれるだけでも儲けものだ。

 サイバー空間で調査会社をやっている男で、イコマは勝手に、単に探偵さんと呼んでいる。

 イコマが入り込めない政府のデータベースにアクセスできるのか、あるいは性能のよいネットワークを構築しているのか、たいていは数日後にはそれなりの報告をしてくれる。


 普段、イコマが頼む調査は、探し人のようなことではない。

 趣味の世界のようなこと。

 たとえば、西暦二千三十一年八月八日の大阪梅田付近の航空写真のありか、といったようなこと。

 探せばイコマ自身でも、いずれ見つけることはできるだろうが、サイバー空間に溢れているデータ量が膨大すぎて、簡単なことほど見つけにくい。



 年齢は。本名は。出身地は。瞳の色は。人種は。

 サリの綴りは。

 などと探偵は聞いてくるが、どれも知らないと答えるしかない。

 性別さえも、たぶん女。


 ニューキーツの街に住んでいる兵士。

 東部方面攻撃隊隊員。街の東部で消息を絶ったということだけ。


 人種という言葉は昔は肌の色や生まれた地域で区別していたが、今は人間としての生まれ方で区別をしている。

 兵士であるということは、再生人間か、再生人間から生まれた子である可能性が高い。

 だが、実際は誰も知らない。


「あまり期待するな」

 と言葉を残し、探偵は通信を切った。

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