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一体どうしろと  作者: 猫宮蒼
一章 自衛のために好感度とかもっとわかりやすくしてほしい

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イヤな可能性



 ゲヘノムさんがアニーティカからウルガモットへ戻ってくるまでの間に更に二頭、マッシュルームベアが目撃されそれらをギルダーが討伐した。

 ちなみに通常個体でした。


 ついでにマッシュルームベアが出るって話を聞いていたギルダーの方々は普段は剣を手に戦う方でしたが、今回は弓やボウガンなどを持ってパトロールしていた模様。


 うん、まぁ、確かにそうよね。

 近距離での戦いが危険だっていうなら最初から距離とって戦うよね。

 とはいえ矢も無限にあるわけじゃないから、バカスカ撃ちまくって倒せればいいけどそうじゃなかったら結局は近距離戦で仕留めないといけないし、何より矢もタダじゃない。

 いや、木の枝から何から全部拾った物で自作しました、っていうならタダかもしれないけど、それだって作る時の手間暇だとか制作にかかった時間だとかを考えると完全にタダか? ってなるわけで。

 お金は働いて稼げばまた戻ってくるけど過ぎ去った時間は戻ってこないからなぁ……


 使用した上で命中しなかった矢は後で回収したりしないと、ああいう消耗品って油断してるとホントあっという間に財政逼迫するからね……

 刺さったやつも場合によっては回収するんだとか。

 浅く刺さったとかそういうやつは確かにまだ使えそう、という気がする。


 とりあえず今回発見したマッシュルームベアは無事倒せたみたいだけど、直後に他の魔物がわらわら出てきたらしく、マッシュルームベア討伐したギルダーさんたちは急いで撤退したとの事。

 そこで他の魔物も退治する余力はなかったらしい。というか、マッシュルームベアの血の匂いで魔物も興奮状態にあったみたいだし、マッシュルームベアに対しては警戒してそれに対応した武器などを用意したわけだけど、それ以外の魔物に関しては今回討伐するつもりはそこまでなかったみたいだからね。

 今回はあくまでマッシュルームベアの討伐、もしくは追い払ってウルガモットから遠ざける事が目的だったわけだし。


 マッシュルームベアがいると思われる森の中を奥まで捜索するとかそういうのは、先延ばしにされた。

 そもそも人数と装備が整ってないうちにそんなところに突撃掛けたら最悪死ぬのはこっち側。戦える人員減った後でいざ決戦! とか明らかこっちが不利でしかない。

 もうちょっと詳しい情報が欲しいのは当然とはいえ、いたずらに人を減らすかもしれない行為は避けるべき、というのもわからんでもない。



 馬を潰さない範囲でなるべく急いでアニーティカから戻ってきたゲヘノムさんは、アニーティカギルドのギルド長からのお手紙を持ち帰ってきた。

 それを読んだうちのギルド長のお顔はとても難しい感じになってたし、読み終わった後で別の人――ウルガモットでギルダーそこそこ長くやってるベテランさん――に声をかけてどうやら自警団の方へも話を通しに行く事になったらしい。


 放置してどうにかなるものなら放置で済ませるけど、流石にマッシュルームベア、それもまだ複数いると思われるものを放置するわけにもいかない。

 討伐するのは当然としても、戦える人材全部を投入するわけにもいかない。

 そんな事したら街の守りが手薄になるわけだし。


 マッシュルームベアに関しては確かに脅威なんだけど、結果街の守りを手薄にした結果、それを狙ってやらかす馬鹿がいないとも限らないわけだ。

 こういう時に余計な事を増やすな、と言いたくなるけど犯罪者側にとっては好機と見ちゃうわけなんだよね……


 なので今回のマッシュルームベア討伐はギルダーが前線で自警団がウルガモットの警備含めた守り――といった感じの以前のコフ討伐と大体同じような感じになりそうだ。

 とはいえ、以前のコフの時と比べると規模は大きくなるはず。



 自警団の方に話を通した後、色々と各自の役割などが決まっていく。

 そこら辺は最初にこうなるだろうな、と思ったのとそう変わらない。


 違う点があるとすれば、アニーティカギルドとも若干の協力をする事になった、という部分だろうか。

 とはいっても、魔法が使えるギルダーがアニーティカにはいるのでその人たちの力を借りて花粉……ではなく胞子がそこかしこ自由に飛び散らないように風の魔法で調整するくらいしか手助けはできないらしい。

 どちらかといえばアニーティカギルドはウルガモットギルドと違ってそこまで戦闘面に特化していないのだとか。そりゃあ、一応魔物退治もしているけれど、そこまで率先的にといった感じではないようだ。


 というのもアニーティカは治安がそこまで悪いわけでもなく、また周囲に出る魔物もそう多くないらしい。

 アニーティカで最近あった一番の事件は? とか聞けば、数年前にとある家を襲った強盗の話が出てくる程度だとか。

 あの、それ……うちの事では……?


 えっ、我が家を襲った強盗事件がアニーティカでここ最近起きた一番の事件扱いなの? もう何年経過してると思ってるの?

 十歳の誕生日迎えて割とすぐ、って感じに起きた事件だったから、あれから大体六年。

 六年前に起きた事件が最近一番の扱い。


 えっ、何、実はアニーティカとんでもなく平和な街だったの……?

 その平和の恩恵私全然受けてないんですが??


 ともあれ、ウルガモットのお隣さん的立ち位置の街であるアニーティカは周辺の魔物もそこまで強いのがいるでもなく、平和なんだそうだ。嘘だろ……?


 隣街なのにこの差は一体……?


 ウルガモットはさ、もう仕方がないよ。

 どうなったのか結末もさっぱりなフリゲの内容から推測するに、ここはどうしたって主人公だったミラのいるところで、そんな場所が平和であり続けるわけがない。

 いや、毎日が殺人事件、みたいな探偵物作品と比べれば平和かもしれないけど、それでも街の中で起きる小さなイベントだとかでちょいちょい何かあるじゃろ。こう、ひったくり追いかけたり不審者とっ捕まえたり。

 そういう事件はあれどウルガモットは平和です、とかいう若干説得力に欠ける部分はあれど、まぁ概ね平和な方よね、で納得させられるのが主人公クオリティ。

 だって主人公からすればその程度は確かにちょっとしたイベント程度のものなのだから。


 そもそも現状こっち側にいるマトハルさんだってフリゲで私がプレイした時は敵側の人間だったからね。

 こうしてこっちにいるという以上、あのイベントがまるっと消えたか、別の何かに変わったと考えたとしても、多分この世界のミラさんとフレッドくん、当時の他の仲間たちは何らかの事件を解決しているはずなわけで。


 どこぞの悪党だとか何かの事件の首謀者を捕まえました! とかやってる所と比べればそりゃアニーティカは平和だろうよ。


 ……というかだ。

 多分私が前世の記憶を思い出したー! とかやったころがまさしく原作時間軸だったのではないだろうか。

 いやそれだとちょっと早いか? 私がおばあさんと一緒に村で暮らしてた時くらいか……?


 正確な年数を把握してないから具体的にいつ頃の話、って断言できないけど、多分それくらいの頃だよね……?


 うーん、村で暮らしてた時、と考えた方が無難かなぁ……


 でもそうなると、その原作軸っぽい頃、何か大きな事件があったか? と聞かれれば私の周辺では全く何一つも無かったと言える。

 村の中が平和すぎた、というだけの話かもしれないけれどそれでも何かしらの大事件とかのニュース一つくらいは流れてきたっておかしくないはず。


 フリゲでプレイしてた時のマトハルさんを倒した後あたりなら、確実にここいら一帯の盗賊団のボスを倒したんだからニュースになってる。どんだけド田舎だろうとも、そういったところに情報を届けにやってくる旅人くらいは出てもおかしくない。


 とはいえ、マトハルさんはこうして普通にギルダーとして存在しているのでここいら一帯をまとめ上げてる盗賊団のボス討伐、とかいうニュースが流れる事はないだろうし、そうなると……他に何か別のイベント……いやどうなんだろう。ここ五年以内くらいに何か大きなニュースありませんでした? 近隣にも広まる勢いのやつ、とか聞いたところで多分何もでてこない気がしてきた。


 最近薄々思うんだけど、もしかして、もしかしてだけどね?

 続編どころか前作そのものがポシャった可能性はないか……? という思いがね、時々チラッと顔をのぞかせてくるのよ。

 私が途中までしかプレイできなかったあのフリゲは、ミラが仲間たちと学校を卒業するためにあちこち奔走するような内容だった。

 その流れでなんでか盗賊たちと戦う事になったりだとか、それ以外の巨悪に立ち向かったりする感じだったのかもしれない。途中までしかプレイできてなかったけれど、そういう意味ではよくあるRPGだ。

 権力も力も大して持ってない平凡な主人公が仲間たちと力を合わせて強大な敵に立ち向かっていく……とかはまぁ、大体のお話で目にするか耳にするやつだし。

 そこに各々のオリジナリティを混ぜたりしていく事で何となく別の話、って認識してるだけ、って言っちゃうとそれはそれで身も蓋もないんだけどさ。


 ただ、ここ最近、ハッキリそう、と認識したくないんだけど思う事があるの。

 もしかしてこの世界のミラやフレッドたちは、大冒険なんてものとは無縁で普通~に学校を卒業したのではないか? と。


 普通に学校を卒業して、ミラの仲間だったアンリさんとキャンディさんはそれぞれ別の地へ、ミラとフレッドが結婚した。

 実際に何らかの大冒険をしたとしても、この流れは別にそこまで大きく変わらないのではないか。ゲームのエンディングで何かそういう展開になってもおかしくはないと思う。


 ゲームでは大冒険をしたとしても、こっちでそうとも限らない。


 考えてもみてほしい。

 ミラはまぁ、仕方ないと思うよ。

 ゲームだと主人公だったけど、今は結婚して子が生まれるとか生まれないとかいう状況だ。

 でもさ、その旦那になったフレッドさんは?

 仮にとんでも大冒険をしたとして、ゲームと同じような展開を歩んだならそれこそそこらの剣士じゃ勝ち目がないくらいに強くなってないとおかしい。

 でもたまにカイルさんから伝え聞くフレッドさんは、これから赤ん坊が生まれるからっていうのもあってこの先の事を考えて今のうちにある程度稼いでおこうと働いてるのだとか。

 ただ、危険な仕事だと子が生まれた時に父はなし……みたいなことにもなりかねないから、仕事は選んでるって確か聞いたような……


 その話を聞いた時はあまり不思議に思わなかったというか、むしろそうだよねこれから赤ちゃん生まれるのに危険な仕事してお父さんが死んだ場合、残された妻と子が大変だもんね、とか普通に受け入れてたけどさ。


 ゲームの通りに仮に話が進んでたなら、フレッドさんの強さは下手したら世界救える勇者並になっていてもおかしくはないはずだ。

 大体ゲームだとキャラのレベル無駄に上げるし。低レベルクリアとかいう縛りプレイの世界線の可能性もあるけど、だとしたらカイルさんから聞くフレッドさんとかミラさんのお話はもうちょっとこう……何かあってもいいと思う。


 普段のあいつらは正直弱いとしか思えないけど、それでもやる時にはやるんだぜ、とかそういうセリフが出てもおかしくはない。けどそういう話は聞いた覚えがない。

 という事は多分フレッドさんの実力はまぁそこそこなんだろう。



 ゲームの続編で前作の仲間が登場する場合、なんでかレベルがリセットされてる事だってあるけれど、あれは長い間平和だったせいで鍛錬などもする事なくぬるま湯に浸かるような生活をしていた結果以前と比べて衰えた……なーんて説が主流だ。まぁね、続編が前作から何年か経過してたらわからなくもないよ? でも、多分この世界、前作があると仮定してそこからの続編として考えるとフレッドさんの実力が衰えまくる程の年数は経過してないと思うんだよね。


 それ以前に、あの二人はウルガモットで暮らしているわけなんだから、そう簡単にレベルダウンするような事があってたまるかって話よ。

 例えば二人がウルガモットから出て別の所で暮らしていました、ならわからんでもないけど。

 大体衰える余裕ある? ゲームと同じ展開があったとして。

 それも多分マトハルさんの存在からしてある程度変化はあっただろうけど、それでもそれ以外の何らかの事件があって、それらを解決したとして。

 その後で他の仲間とお別れしてミラさんとフレッドさんが結婚しました、という展開になったとして。

 割とそのすぐあとに子供出来てるよね、これ……そうなるとフレッドさんはゆっくりする暇もなく普通に仕事を続けてるようなものだ。


 現役バリバリ。全盛期といっても過言じゃない状態で。

 そんなんで仕事セーブしたりするかな……?



 もしかしてだけど。


 私がプレイしたフリゲ、存在そのものがなかったことにされて世界観そのままに別のゲームに変更された、って可能性あったりする……?

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