表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一体どうしろと  作者: 猫宮蒼
一章 自衛のために好感度とかもっとわかりやすくしてほしい

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

25/267

つつがなくとは言えないが



 ――さて、その後の話だが。


 あの後もそれなりにトラブルっぽい何かはあった。


 出店で料金払わず無銭飲食して逃げようとした奴をとっ捕まえたり、お祭りで人が多く外にいるからこそ、それを狙って幼子を誘拐しようとしたロリ? ショタ? ていうか、人身売買組織的な……?

 まぁよくわからんけどそういうの。

 いやあれ凄かったわ。


 普通にさ、ちょっと親からはぐれた子をそれじゃあ一緒に探してあげようね~とか甘言でもって連れ去るとかはありがちだけど、麻袋被せてさっと担いで逃げ出した奴とか。

 人の少ない通りに迷い込んでた子がそうなってたんだけど、たまたま人の多さで酔いかけて休憩してたルーウェンさんが発見して捕縛。

 もっと酷いのは人通りの多い場所だからこそ自分に注意が向いてないだろう一瞬の隙をついて子供抱えての逃走。


 いや、あの、何がそなたをそうさせるの? って聞きたくなるくらいに誘拐事件が勃発しすぎでは!? ってなったよね。

 あ、ちなみにその公衆の面前で堂々幼女を抱えて逃げ出したそいつ、身体能力もとんでもなくて建物の壁を蹴ってそこから他の建物の屋根に駆け上がって屋根から屋根への移動とかしだしたからね。


 まぁ、マトハルさんが仕留めたけど。


 ちなみにその拍子に屋根の上から放り投げられる事になってしまった幼女は私がキャッチした。


 あ、あああ、あっぶねー!!


 って危うく叫ぶところだったんですけどぉ!?

 いや私じゃなくても多分カイルさんあたりキャッチしてくれたとは思うんだけど、その時カイルさんも何か怪しい人物発見したとかで意識がそっちに向いてたっぽいし、私じゃなくて他の誰かがキャッチしたとしたかもしれなくても、めちゃんこ焦ったわ。


 幼女だからそこまで重くなかったけど、それでも上から降ってきたのをキャッチするとなるとその分の衝撃はあるわけで。


 衝撃を感じた瞬間に自分の腕に回復魔法発動してなかったら取り落としてた可能性あったわ。


 見知らぬ男に抱え上げられて逃げてた男からようやく離れたと思えば、その頃にはポーンと景気よく放り出された後で、「え?」とか思う間もなく落ちる身体。

 状況を把握した頃には自分じゃもうどうにもできないとなったその時に私が受け止めたとはいえ、遅れてやってきた恐怖心は中々消えるものじゃない。


 たまたまその時ディットさんが近くにいて、

「もう大丈夫だよ」

 って超絶優しい声かけてなかったらあの幼女絶対ギャン泣きしてた。

 あとディットさんが声かけたと同時に手にしてた花を幼女ちゃんにあげてたけど、それさっき別のおねーさんから貰ってませんでした……?


 ルーウェンさんもだが、ディットさんも圧倒的に顔がいいので花とかやたら似合うんだよね。

 とはいえ、ルーウェンさんは普段からあまり愛想がいいわけでもないからそこら辺の人に気軽に声かけられたりしてないんだけども。

 だがディットさんは人当たりが良いのだろうか、とりあえずそこら辺のおねえさんからおばさま方まで虜にしてる感じあるからね。

 もうディットさんが背景に薔薇とか百合とか背負ってても何の違和感もないからね。


 あの脅威の顔面偏差値高すぎ君に声を掛けられて幼女ちゃんぽーっとなってたから、おっとこれは初恋泥棒の気配……とか思ってたよね。

 その後すぐに幼女ちゃんのお母さんがやってきたので無事に引き渡したけど。


 別れ際についでとばかりに「おにいちゃんばいばい」ってこっちに手を振ってくれてたな。

 ディットさん? あぁ、顔面が高威力兵器みたいなものだから、気軽に声とかかけらんないだけじゃないかな。羞恥心持ち合わせた生き物なら多分声かけるの普通に躊躇う感じするもん。

 ディットさんはなんていうか接する時に気持ち画面越しとかじゃないと無理なんじゃない? って思う事結構あるもん。

 むしろ何故画面がないのか、と疑うレベル。


 そんなディットさんは苦笑を浮かべながらも、

「ふられてしまいました。やっぱり直接助けてくれたきみの方が王子様みたいに見えたんでしょうね」

 とかわけのわからない事言ってたけど。


 頭大丈夫か?


 実際助けたのはマトハルさんだと思うんだけど、放り投げる原因になったのもマトハルさんな気がするから、助けたカウントされてないだけかな。


 とりあえず、その後もちょいちょいちょっとした犯罪を発見してはそれらをどうにか捌いていって、三度目のフラワーシャワーが降り注いだのであった。


 三度目はそろそろお祭りも終わりますよの合図なので、ぼちぼち家に帰る人たちも増えているからか道を行く人の数も大分減っていた。


 ……おかしいな。

 もっとこう、まったり祭りを楽しんで適当な所で家に帰るつもりだったんだけど。

 カイルさんと出会ってからほぼパトロールしてたも同然だったんだが……?


 途中で遭遇したルーウェンさんやらマトハルさんやらディットさんもついでとばかりに一緒に行動するようになって何となく大所帯な気がしたけど、その頃には人通りも大分少なくなってたから周囲の迷惑にならなかったのが幸い。


 それにしたってさ、いくら祭りの時は人も割かし浮かれるからって犯罪起こりすぎでは!?


 なんでだよ普段そんな人さらいとか出るような感じじゃなかったのに今日だけで何件あったと思ってんの。

 てか地味に自分も狙われてたって後からカイルさんに聞かされてとてもしょっぱい気持ちになったんですけど。


 まぁ確かに私ギルダーには到底見えないもんな。普段から魔物退治とかに駆り出される感じしないもんな。裏方なんでそりゃそう見えなくても仕方ないけど。基本ギルドにいて怪我して戻ってきた人の手当てするくらいだし。


 あと周囲に普段戦う人がいると、私の体型とても貧弱に見えるだろうしね。そりゃ狙いやすそうに見えても仕方ないかなって……いや、思わんけど。むしろ狙うなと言いたい。


 ちょっと前に捕まえた盗賊団の仲間の情報とかあれ、一つの事件が終わった認識でいたけど、もしあの時情報を聞き出せてなかったらその仲間も今日何らかの事件を起こしていたかもしれない、と考えると……うん、焼け石に水感半端ないけど、それでも解決させといてよかったなって思ったわ。


 事件の発生数半端なさ過ぎたもんね!


 私とカイルさんが遭遇したやつだけでもそこそこの数あったっていうのに、聞けばルーウェンさんやらディットさん、マトハルさんが遭遇した事件もあったらしいし。

 それが全部ってわけじゃないのよ。だって街の見回りは自警団もやってたわけで。

 その自警団は何の事件にも見舞われませんでした、ってなったら自警団もっとちゃんと見回って!! ってなっただろうけれど、自警団の方でも色んなトラブルがあったらしいよ。

 これは後日ギルド長から聞いた話だけども。


 普段の犯罪発生率と比べて今日一日の犯罪発生率どんだけよ? ひゃくぱー超えてたりしない? 祭りの日は人も浮かれてるから狙い目、とか思うにしたってこんだけの事やらかしてたら犯罪者もちょっと自重しようってならないのかしらね。

 むしろ他の連中もやらかすだろうからこの際そいつらを隠れ蓑に……思考なんだろうか。切実にやめてほしい。


 とはいえ、大半のやらかした連中は捕まえて牢屋にぶち込んだそうなので、当面は平和だろうとの事。

 むしろ牢屋の数足りた? 溢れてない?



 ちなみに。

 花祭りの際に飾り付けていたあれこれは、祭り終了後に更なる見回りを兼ねて自警団や騎士団が撤去するらしかったので、ギルドの人たちは駆り出されなかった。

 祭りが終わった直後でもまだやらかす人はいるらしい、って聞いてすんとした表情になったのも仕方のない事だよね。

 正直さっさと帰りたい気持ちもあったけど、終わったらギルドでお疲れ様会やるってギルド長が言ってたらしくて、私もそっちに参加してきた。


 まぁ、お酒は飲めなかったけど、出されたご飯は美味しくいただきました。


 出店でいっぱい食べた気になってたけど、あの後立て続けに起きるあれこれで駆けまわったりしてたからか、お腹ぺこぺこになってたもんなぁ……



 去年は花祭りの存在何も知らなかったけど、下手に外に出てたら何かに巻き込まれてた可能性もあったんだろうな、って思うと来年の花祭りとかちょっとこう……参加自体を見合わせたくなってきたよね。

 来年はもうちょっと平和に始まって終わるといいんだけど……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ