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一体どうしろと  作者: 猫宮蒼
一章 自衛のために好感度とかもっとわかりやすくしてほしい

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遥か遠き安息の地



 先日薬草を採りに行った時に遭遇した狼、実はあれ、地味にヤバい魔物だったらしい。

 えっ、ただの狼じゃなかったの!? 話をギルド長から聞いた私はそれはもう驚いた。表面上には一切そういうの出さなかったけど。


 えっ、あれ、狼……魔物? 動物じゃなくて? ちょっと動物と魔物の違いって何?

 聞けば魔力を内包しているかどうか、とか言われたけど、それってそんな簡単に見分けつくもの……?


 というか、そこら辺もあまりよくわからないんです、って言ったらギルド長にマジか……って顔されたんだけど、え、これ常識? マジで?

 とはいえ、動物と魔物の違いって大きく異なるって感じでもないらしい。

 通常の動物でも魔力を多く取り込むような事になれば魔物化するし、そうなると狂暴性が増すとかどうとか。


 なるほど? つまり、普段は臆病でこっちの姿を確認したら即逃げるようなウサギとかが魔物化した場合、逃げるどころか逆に襲い掛かって来る……と。

 草食動物系が魔物化したら割とすぐわかるっぽいけど、肉食獣だと判別つきにくいらしい。

 でも、本来なら群れたりしないやつが群れたりして襲い掛かってくるだとか、違いはそれなりにあるらしい。ある程度ギルダーやってるとそういうのも見分けつくようになってくるんだとか。へ~。


 私それ理解できる気まるでしないや。


 魔法を使える人でかなりの腕前とかだと魔力の流れを感じたりする事もできるらしいので、魔物かどうかの判別が即座にできるらしい、ってのも聞いたけど……えっ、私そう言う魔力の流れとかよくわかんないな……たまにそれっぽいものを感じる事もあるけど、それだってたまたま、みたいなものだし。


 魔法に関してならリースラント兄弟に言えばいい、とか言われたけどリースラント家っていうと……どちらさんだ? なんて反応してたらギルド長にはルーウェンとディットの事だと言われた。

 あ、あの人たちそういう名前だったなそういや、って思い出したのは直後の事だ。


 いや最近顔とかあんま見てないから忘れかけてたわ。


 ディットさんに関しては何か面倒そうな気配を察知しつつあるので覚えてるけど、ディットさんの兄のルーウェンさんに関してはほぼ関わってないので忘却しつつある。人の顔と名前を憶えるのそもそも得意じゃなかったもんなー、前世も。


 とりあえず今日はもうギルドにいてもやる事なさそうだし、そろそろ帰ろうかなって思ったら、ドアが凄い勢いで開け放たれた。


「ギルド長! 大変だ!!」

「どうした!?」


 何回か顔は見た事あるな、って感じのギルダーの人が駆けこんでくる。見れば随分とまぁ、と言いたくなるくらいにボロボロだった。


「街道付近で魔物が群れで出たっていうんでさっき討伐に向かったんだけど……数が多すぎてこっちもかなり被害が……!」

「なんだと、それで、魔物の方はどうなってる!?」

「半分くらいは倒したけど、残り半分は撤退。けど、追いかけて倒そうにもこっちも怪我人が多くて……」


 どうやら彼がこの中で一番被害が軽かったらしく先導して戻ってきたようだ。

 そんな話をしているうちに、ズタボロになったギルダーたちが戻ってくる。

 その数ひい、ふう、みい……十人程か。依頼を出す前に対処するとなった以上、急ごしらえとはいえそれだけ集まってどうにかなった、って考えるとまぁ……うん。


「自警団の連中はもし他の場所にも魔物が潜んでいたら、の可能性を考えて今見回り強化してる。それでもし数とかもっとヤバそうだってなったら騎士団の方に話持ってくとは思うんだが……現状すぐにそうするって感じでもなさそうで……」

「そうか。とにかく中に入れ。エルテ、治療を」

「はーい」


 帰ろうと思ってたけど怪我人がこうも運び込まれてきたのでは話は別だ。


 やってきた人たちの怪我は確かに酷いけど、それでも全員自分の足で移動できる程度なのでそう悲観するようなものでもない。見た目に酷いのは血で汚れてるからってのもあるけど、倒れたりした際に泥まみれになったのもあるらしく、泥と血が原因なだけだ。多分その汚れを落とせば思ってるほど酷い怪我と見られる事もないんじゃなかろうか。

 とりあえず纏めて回復魔法をかける。

 次の瞬間には全員治っていた。


「……前にもかけてもらったけど本当に凄いな……」

 その中の一人は前にも私が回復魔法をかけた相手だったらしい。無詠唱で即発動する回復魔法は、これから回復しますよ、といった予兆も前兆も何もなくするっと発動して治しているので、かけられた本人も何か急に痛くなくなったな……? といった感じですぐに治っていると理解できていないらしい。


「とはいえ、怪我は治りこそすれ体力が回復するわけではないので無理はしないで下さい」


 そう言えばギルダーの人たちは今日は大人しく帰ると言ったので、その言葉を信じる事にする。これで怪我治ったしこのままどっかで遊んでくるぜー! みたいなノリでそこらで飲んで酔って暴れたりでもしようものなら、多分その時に怪我とかしたら普段以上に……ってなりそうなんだよね。


 体力そのものが回復してるわけじゃないから、アルコール回って痛みとか一時的にわからない状態になったりした場合、酔いが醒めた次の日とかがまさに地獄。

 がっくり落ちてる体力、そして遅れてやってきた怪我の痛み、まさにダブルパンチ。


 飲んで酔っても暴れたりしないで怪我もしないなら何も問題はないと思うけど。

 私から見ると結構血の気の多い連中いるからなぁ……


 ついでに言うと怪我を治したところで失った血液までは復活しないのでまた外に魔物退治に出かけてそこで怪我とかした場合、出血多量にでもなったら即貧血とかで大変な事になりかねない。

 できるだけ安静にしてほしい。


 攻撃魔法も回復魔法も正直凄い力ではあるけれど、人が扱える範疇というかなんというか……まぁ、全能でも万能でもないのよね。いくら凄い攻撃魔法の使い手って言っても自然災害起こせる程ではないし……や、山とかで炎系の魔法使って山火事とかそういうのはまた別の話だけども……地震とか津波とかそういう系統は無理だし嵐も……どうだろ? 何か凄い強風とかはあるだろうけど、嵐までは……うぅん、よくわかんないや。


 私の使う回復魔法だって大抵の怪我は一瞬で治せるけど、あくまで身体の怪我が前提であって心の傷とかまでは流石に治せないし。ましてや死んだ人を生き返らせるとかも無理。

 あと病気とかは効果なし。毒とかの治療はともかく、風邪引いたとかいう人を治せるかってなると無理。それはもうお薬の出番。


 とりあえず今日のところはこれ以上怪我人が駆けこんできたりもしないだろう、と思ったしギルド長も一段落ついたっぽいから帰っていいって言ってくれたので、帰る事にした。



 …………しかしまぁ、なんだ。


 自分の知ってるゲームの内容から少しだけ時間が経過してるっぽいのはフレッドとミラの年齢で把握したけれども、となるとこれから先何がどうなるのかっていうのが私にはさっぱりわかるはずもない。

 未来がわからないっていうのは本来普通の事のはずなんだけど、元が自分がプレイした事のあるゲームの世界、っていう土台があるとどうしても知らないってのはなぁ……

 主人公が卒業してその後フレッドとくっついて結婚したっていうのはまぁ、おめでとうなんだけども。

 ゲームの続編あるあるを考えると本当におめでとうで終わるのかどうなのかがなぁ……

 他のゲームだって続編出た時に前作から三年後とか下手したら一年後とか結構すぐに世界規模でヤベェ事件起きたりするじゃん? フリゲでなくてもゲームの製作会社とかで作ってるやつですらそうなんだから、彼女の作るフリゲが舞台である以上、下手したら前回のゲームから一月後には新しい事件が、とかなっててもおかしくないんだよね。前に作ったフリゲのシリーズだとそういうのあったし。


 一応一月以上は経過してるけど、だからこそ続編出ててもおかしくない年数経過しちゃってるのがな~。


 前作同様ミラが主人公です、ならいいけど、フレッドと結婚して家庭に入ってるし可能性としては低いか……?


 というか、前作っていうか自分がプレイした時点で強敵扱いだったマトハルさんの立ち位置が謎過ぎる!

 何、あの後どっかでシナリオ変更とかしてマトハルさんのポジション別の悪役が出たとかそういうやつなの? それともこの世界はあくまでも彼女のフリゲととてもよく似た世界観の別物なの? いやでもそれにしたって登場人物数名かぶってる時点で偶然の産物とか……あかん、考えたら考えただけどんどんわけわかんなくなってきた。


 そもそも私そこまで賢くないからあまり頭を働かせても結果がちゃんと出るかっていうと出ないよね。悲しいことに。

 考えてもどうしようもないから考えないようにしようと思ってもふとした瞬間どうしても考えてしまうという思考の罠よ……


 いっそ前世の記憶とかいうのがなかったらこんな事で悩んだりしなかったのかもしれないけど……いや、でも、前世の記憶がなかったままの私だったら今頃どうなってたんだろうか。

 親が死んで、親戚の家に引き取られるはずが途中で馬車から放り出されて、おばあさんと遭遇できてどうにかなってたけど、下手したら犠牲になった御者の人とかのところでへたり込んで衰弱するまで動かなかった可能性もあるよね……?

 あの時点で前世の記憶があったから「あ、もう死んでるし駄目だなこれは」ってサクッと見切りつけたけど、そうじゃなかったらあの場所でロクに動けてなかった可能性はとても高い。


 というかだ。

 前世の私色んなゲームとか漫画とかアニメとかドラマとかまぁそういうの嗜んできたから結界でぶん殴るっていう方法もするっとやらかしてるけど、前世の記憶のないただのこどもだった私にそんな芸当できただろうか?

 結界は自分の周囲に張るものとしか認識してなかった可能性はある。

 もし、どこか途中で盗賊とかと遭遇して身を護るために結界を張っても、ずっとは流石に無理がある。どこかで力尽きて人身売買コースになってた可能性も無いとは言い切れない。


 ……そうやって考えると前世の記憶がよみがえってなかったら私どっかで高確率で死んでる可能性高すぎ。


 今の私だからなんとかなってるけど、そうじゃなかったら人生ハードモードすぎでは……?

 人生綱渡りにも程があるぞ。


 前世の私という適度な攻撃性があるから生きてる。

 至った結論はこれだった。



 仮に、仮にもし続編的な話があったとして、流石に私が主人公とかいうのはない、よ……ね?

 無いって断言できない状況なのとても困る。

 知り合いの作るゲームは大体常に不穏な何かがあるので、そんなのの主人公ポジションとかどう足掻いても絶望なので極力主人公らしい行動は絶対とらない事を今誓った。


 誓ったからってどうなるってものでもないけども。

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